展覧会Exhibition

東端唯 - 草編
写真:「草編 - 朱溜」合板、漆、顔料、合成樹脂、700×700mm、2012年
来田猛 撮影

  • 東端唯 - 草編

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東端唯 - 草編

2012.6.19(火) - 7.8(日)

この度、アートフロントギャラリーでは東端唯個展「草編」を開催致します。
日程 2012.6.19(火) - 7.8(日)
営業時間 11:00~19:00 (月休)
会場 アートフロントギャラリー
イベント オープニングレセプション 6月19日(火) 18:00~20:00
東端唯の作品、プロフィールについては<u><a href="http://www.artfrontgallery.com/artists/cat71/">こちら</a></u>をご覧ください
作家在廊日  6月23日(土)、24日(日)、30日(土)、7月1日(日)、7日(土)、8日(日) いずれも午後
生乾きの朱漆に一気に揮発性油をドリッピングして制作される「泡花」。漆の上に銀箔を貼り、硫黄でいぶし、砥石で下にある波紋様を研ぎだす「銀波」。東端唯さんの代表的な作品だ。それらは一点一点展示されるより、ときにランダムに、時に整然と複数枚がひとつの壁にレイアウトされる。集合体となって目の前に現れる作品の姿はいつも「圧巻」だ。
それは、漆の持つ素材の美しさによるものなのか、大胆なデザイン性にあるのだろうか?もちろん、その両者であろう。しかし、それ以上に東端さんの手技に裏打ちされた新しい表現への挑戦に対する驚きによるものが大きいと思う。「ほとんど下絵を描くことはなく、手が動くままにライブな感じ」という自由闊達な作風。大胆に繊細に偶然と必然を織り交ぜながら次々と新しい表現が湧き出てくる。
東端さんは京都の蒔絵師の家に生まれ、高校を卒業してからも塗師のもとで修業。さらに視野を広げるために大学でデザインを学び、設計事務所に所属して空間作りに携わったという経歴を持つ。お祖父さんから代々受け継いできた町屋のアトリエには多種多様な漆の仕上げの塗り見本が並んでいる。
「画家が、キャンバスに塗られた筆跡から次の形や色を選ぶように、素材と触れ合う様々な時間の中で、漆面に現れる偶然の変化を静かに観察し、素直に反応するように心がけています。漆の塗面は、作業工程の性質上、完成に近付くにつれその素材感は失われ、やがて無機質な状態へと向かいますが、その過程に現れる触感的な何かに魅力を感じ、そのような偶然のテクスチャーを作品イメージへ積極的に取り入れたいと考えています。一回限りのハプニングが脈々と連続する表面と、完成イメージとの僅かな接点に、鮮やかな感覚のコントラストを感じつつ、その発見との邂逅を受け入れることで、予定された完成ではない、伝統からも自分自身からも解かれた拡がりのある作品を生み出せたらと思います。」(東端唯)
今回は、図と地の表情の差でコントラストをつけ植物の図柄を浮かび上がらせた連作「草編(くさあみ)」など約40点が展示される。より絵画的ともいえる新たな漆の挑戦をご高覧いただきたく、よろしくお願い申し上げます。

アートフロントギャラリー 木田秀美

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