展覧会Exhibition

角 文平 - SCAPE

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角 文平 - SCAPE

2014.1.10 (金) ? 1.26 (日)

アートフロントギャラリーでは、瀬戸内国際芸術祭2013でも活躍した角文平の個展を開催します。角の作品によって、観点を少しずらすことで日常からはみ出て見えてくる異なる世界観をご堪能ください。
日程 2014.1.10 (金) ? 1.26 (日)
営業時間 11:00 - 19:00(月休)
会場 アートフロントギャラリー(代官山)
作家在廊日 1月24日(金)、25日(土)、26日(日) いずれも午後から
角文平の作風は非常に独特なものだと思う。アートにとって誰の作品にも似ていない「オリジナリティ」は非常に重要である。しかし一方でこれまで歴史上数万人ものアーティストが活動してきて、既に様々な表現がされつくされてきた。アートがその時代の、あるいは作家の個性の発露だと言っても、作家そのもののオリジナリティは実際には見出すことは難しい。そのためにアートと呼ばれるものの定義の領域を広げることでアートは自らの存命を図りながら、変化し続けなければならない。
角文平の作品の特殊さとは何であろうか。角はもともと金属の加工を得意としている作家で、集めた材料をあたかも当初からそういう形の古いものがあったかのように仕立てる。例えば「発芽」のシリーズで使われている金属のタンクは元々そういう形のものがあったわけではなく、見つけたものを切りつなぎ、さらには表面の錆や塗装まで古びたようにする。こうした加工の末、出来上がるのは作家のオリジナリティの発露としての形ではなく、ステレオタイプなタンクだ。作家によって作られた物である形跡はさほど感じさせないし、古びて見えるのも、まるでどこかで拾った既製品の様である。角の特徴は、手元にある材料からステレオタイプな「物」を作ることにある。それは誰が見てもありふれたものでなければならない。ステレオタイプな「物」でなければ日常品そのものが持つ「記号」としての意味が発揮されないか、もしくは必要以上の意味が付随してしまうのだ。
彼の作品が次に特殊なのは物と物を組み合わせることで本来の物が持つ機能や意味をずらし、新たな意味を生じさせることにある。「人間の巣」シリーズでは家とクレーンとが組み合わされていることで現代の都市の住環境の不安感をうまく表現している。見慣れた物と物の組み合わせが角文平の作品の明快な面白さであり、そこから生じる意味の振幅もこの数年で非常に広がりを持ってきた。角は2013年春に瀬戸内国際芸術祭に参加し、物としての面白さに加え、周囲の空間や地域のもつ意味を作品の中に取り込むことで新たな作風の展開を見せてくれた。今後はますます物と空間を組み合わせる展開も見せてくれるものと期待される。
今回のアートフロントギャラリーの個展では3つのギャラリー空間それぞれに異なるインスタレーションを展開する。一つ一つの作品の魅力というこれまでの展開だけではなく、これまで製作してきたいくつかの作風をそれぞれ一歩押し進めた瀬戸内を経て初めて見せてくれる展開が楽しみな展覧会となる。

アートフロントギャラリー 近藤俊郎

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