展覧会Exhibition

山本晶:Playing with Maps
《Water mark》 (部分)、シルクスクリーン、2021

  • 山本晶:Playing with Maps

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山本晶:Playing with Maps

2021年3月12日(金) – 4月4日(日)

この度アートフロントギャラリーでは、山本晶の個展を開催致します。
日程 2021年3月12日(金) – 4月4日(日)
営業時間 水~金 12:00-19:00 / 土日 11:00 - 17:00
山本晶は武蔵野美術大学大学院造形研究科を修了した1995年より、2度のVOCA展入選、文化庁の在外研修員としての渡米経験を経て、2008年のDOMANI展、弊廊での5度の個展など、今日まで精力的にキャリアを重ねてきました。主に油彩画を制作してきた山本を特徴づけている点として、彼女の鋭い色彩感覚により構成された、鮮やかでハイキーな色面のレイヤーが挙げられます。「全く関係のないもの同士が一つの空間を形成するポリフォニックな状態」を描き出すという山本のペインティングは、せめぎ合う色面同士が共生とハーモニーを創出し、鑑賞者を画面内の色と色との空間にある恍惚へと誘います。


今回の個展では山本のこれまでにない新たな試みとして、地図のパースペクティヴのなさや非対象性、地図上の境界と明確にその場所の区分ができないイデアなど、地図の持つ普遍性と場所の関係性をテーマにした展示を展開します。山本が地図に注目したきっかけは、昨年11月に山本が参加したアートプロジェクト「木曾ペインティングス」での制作中の体験が元になっています。滞在中フィールドワークとして域内を探索した際、山本は地図と実際の場所との感覚のズレや、住人の暮らしや感情など地図の区分どおりには分け隔てられないものの存在に気づきました。山本はこの地図が形成する境界と目に見えない要素との関連を以下の通り記しています:

図は国や海との境界線をくっきりと分けていますが、歴史を遡るとその線は揺らいでいることがわかります。河川は自然によって流域を変えてきました。たとえ国境にフェンスを建設しても鳥は自由に行き来しています。日本が島国だからといってはっきりとした境界を作っているのだろうかと文化や芸術で感じ取ることができます。絵を描いていて、なにか一つの事象の内側と外側を形成するのは輪郭線でないことは、色と色の狭間を見ていながらいつも考えていたことで、それが地図にも同じ感覚を覚えることに気がつき、作品にしてみようと思いました。


本展において山本はシルクスクリーンや糸など、油絵以外のメディウムも積極的に取り入れた作品を発表します。木曽の地図をベースに流域や道路、行政区の地理的情報に4色の色面がシルクスクリーン印刷された新作《Water mark》は、其々の版のレイヤーが微妙にずらされることにより、其々の色面の境界線が侵食しあいその境界を曖昧にします。研ぎ澄まされた色彩感覚を用いつつも、常に次代の表現を探究する山本晶の新境地を是非ご高覧ください。

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