展覧会Exhibition

釘町彰 個展:人間の土地から
釘町彰《Air (Gabi)》2022 雲肌麻紙に墨、胡粉、天然岩絵具 1970 x 2910 x 40mm
Photo Haruna Maeda

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釘町彰 個展:人間の土地から

2023年2月3日(金)~2023年3月19日(日)

パリ在住の釘町彰がアートフロントギャラリーで初めて個展を開催いたします。今回の展覧会は、恵比寿映像祭地域連携プログラムに参画し、映像と精緻な絵画で構成されるインスタレーションを展示します。文明の起源を追求すべく原始的な風景を描いてきた釘町が、本個展では再び人間の視点に立ち戻り、風景との対話を通じて真の人間性とは何か、を問います。
日程 2023年2月3日(金)~2023年3月19日(日)
営業時間 水~金 12:00―19:00 / 土日祝 11:00―17:00
休廊日 月曜、火曜
釘町彰(1968年神奈川県生れ)は、風景を通して人類や文明の起原といった普遍的なテーマを追求する画家といえるだろう。幼少期をベルギーで過ごした釘町は、多摩美術大学で日本画を専攻、同大学院で日本画の古典技法を徹底的に学んで渡仏。マルセイユでは制作に邁進するストイックな留学生活を送り、さらに編入したパリ第8大学大学院メディアアート科では絵筆をとめ、哲学や思想の本を読み、論文を書き、作品制作を支えるコンセプトに磨きをかけた。現在にいたるまでフランスを制作拠点とし、発表の場もヨーロッパと日本で多岐にわたる。パリでは、旧高田賢三邸の壁画や鞄のブランドのデザインを手掛け、さらに2022年1月には長野県で行われた松本建築芸術祭に参加。雪深い洋館の窓際に、屹立する雪山の岩肌が瀧を思わせる作品を置いて注目を集めた。

一貫して風景を描いている釘町だが、釘町にとって風景とは何か、なぜ風景を描くのか。一見写真と見紛うかのように外界を忠実にとらえながらも、外の世界を描いているという意識はないという。風景は人間の内面を映す鏡であり、見る人それぞれの精神状態によっても変わる、世界と人間の関係を問う装置だと言うのだ。確かにえぐり出すかのように厳しく刻み込まれた岩肌や、風に揺れる樹木のあいまから射す光などは単なる写実ではない。釘町も好きだという長谷川等伯の《松林図屏風》や鶴の下絵と響き合う本阿弥光悦の書に通じる精神性が感じられる。

制作プロセスは、下地づくりを入念に施し、モチーフとなる山や樹木などを一気に描いている。揉んだ和紙にまず墨で、その上に胡粉で何層もの薄い層を塗り重ねる。その結果、地の白も単なる白でなく、不透明感を呈しながらも背景としての奥行を充分に備えている。岩絵具は描きこめば描きこむほど、かえってリアリティがなくなっていくという。油彩画と違って手をいれるほどに「奥に行く、引きの美学ともいえる」。それを逆手に取り、絵具をシルエットとして捉え、物体が無いこと、不在の絵画を作りたいと考えるようになり、この空虚さが映像と親和性があることに気づいたという。そして流れる映像と岩絵具によるランドスケープという、一見対極にあるような世界観を繋ごうという試みに着手した。

2023年2月、ギャラリーに設置するインスタレーションは、このような問題意識に時間性をも取り入れ、実作品の大画面と映像との交錯によって、時空を超えた感覚を見る人に喚起するだろう。
本展は、第15回恵比寿映像祭の地域連携プログラムに参加予定。

釘町彰 Akira Kugimachi
■略歴
1968 神奈川県生まれ
1993 多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業
1995 同大学大学院修士課程絵画科日本画専攻修了
1995−1996 マルセイユ国立美術学校
1999 パリ第8大学大学院メディアアート科修士課程修了
2000-2002文化庁海外派遣芸術家 /パリ

■主な個展
2020 「Elpis」Gallery Pierre-Yves Caër /パリ
2018 「Erewhon」Gallery Art Composition /東京
2017 「Re-generation」2013年「Snowscape」日本橋三越 /東京

■主なグループ展
2022 「マツモト建築芸術祭」/ 長野
2019 「Art Paris19」Grand Palais/パリ 
「アートフェア東京」東京国際フォーラム/ 東京
2018 「Cainet Da-end 08」Galerie Da-end /パリ
「Renaissance Contemporaine」Pierre-Yves Caër Gallery /パリ
2017 「L'Aurore de Paysage」Villa88 /ボルドー(フランス)
「Collect」SAATCHI Gallery /ロンドン
2016 「Paysages Subjectifs」イアンチェルヴィッチ美術館 /ラ ルヴィエール(ベルギー)
「Encounters」Gallery DUTKO /ロンドン
2015 「Ombre et Lumière」Galerie DUTKO パリ
2013 「現代水墨作家展」 国立新美術館/ 東京
2012 「A Force de regarder au lieu de voir」Galerie des Grands Bains Douches de la Plaine /マルセイユ
2011 「Tragique du Paysage」Galerie Eric Mircher / パリ
1996 「Escale」Galerie des Beaux-Arts de Marseille /マルセイユ(フランス)

■主なコレクション、プロジェクト
セルヌスキー美術館(パリ)/ 旧高田賢三邸宅 / 三菱商事パリ支店 / 立源寺(東京)/ 鹿児島西酒造(鹿児島)

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