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Gallery's Picks for the Month(イ・ビョンチャン)

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Gallery's Picks for the Month(イ・ビョンチャン)

瀬戸内国際芸術祭

今回のGallery's Picksでは、4月26日からアートフロントギャラリーで日本では初めてとなる個展を開催する韓国の現代美術アーティスト、イ・ビョンチャンを紹介します。個展に先駆け、4月18日 (金)からスタートする瀬戸内国際芸術祭2025にも出品していますので、併せてご注目ください!


イ・ビョンチャン/ Lee Byungchan

イ・ビョンチャン(1987年生まれ)は、韓国の現代美術アーティスト。大量生産・大量消費されるプラスチック製品で構成されたクリーチャー作品は呼吸の動きと、物事への執着から作られた起伏的形態を示しており、作品を着用した人の姿を通じてプラスチックが身体に寄生するシーンを表現。また、都市の質量を波動と変形されたサウンドで構成する作品を作ってきました。資本という目に見えない物質を可視化し、呼吸と空間で構成される彼の作品は、新しい都市に集まる資本のエネルギーを経験して作られたイメージです。

参考画像:《CREATURE 2024 》内田未来楽校、百年後芸術祭-内房総アートフェス-(2024 年 3 月 23 日~5 月 26 日)、千葉


個展「アリの消失点」
@アートフロントギャラリー、東京


■会期:2025年4月26日(土)- 5月25日(日)
■ギャラリートーク:宮津大輔xイ・ビョンチャン 4月25日(金)18:30~(無料 ※要予約
■レセプション:4月25日(金)トーク終了後に1Fギャラリー前にて開催します。(参加自由)
■会場:アートフロントギャラリー
ウェブサイト


今回開催する東京での初個展は、ショーウィンドウ展示の特性に合わせて構成されました。ここでは、商品が消費される瞬間を「消失点」と見立て、その消失点へと集まっていく“アリ”たちの姿が表現されています。“アリ”とは、韓国で「普通の人々」や「群衆」を指す表現です。人々が形を失いながら商品に深く引き込まれ、やがて一点へと収束していく光景は、それぞれ異なる個性や特徴を持つ人々が、一つの方向へと導かれ、最終的に一つの形に統合されていく様子を象徴しています。

ギャラリーでは、壁面にいくつかの凹面鏡が設置され、その前には有機的なフォルムのオブジェを配置。呼吸するようにわずかに動くこのオブジェは、凹面鏡の中で歪み、変形した姿を映し出します。周囲に配置された照明は、その歪んだフォルムが持つ起伏を際立たせ、独特の視覚効果を生み出します。

別室では"身にまとう" という行為を取り入れた作品も、映像作品とともに展示。映像には、作品を身につけた人が都市のあちこちを歩き、鏡に映る自らの姿を確認する様子が記録されています。自分の形がまだ保たれているかを確かめるその姿は、消費という行為が私たちの存在や個性にどのように影響を与えているかを問いかけているのです。

参考画像:


瀬戸内国際芸術祭2025

CREATURE 2025
参加エリア:小豆島 ≪瀬戸内アジアギャラリー≫
参加会期:春・夏・秋
ウェブサイト

都市に集まる資本の循環をテーマにした作品。環境汚染や生態系の破壊を引き起こすプラスチックなどを素材に、発光し動く生命体(クリーチャー)を模したインスタレーションを制作しました。滞在中はワークショップのほか、フィールドワークをもとに映像撮影も行います。


【過去の展示】FaN Week 博多旧市街フェスティバル2022


福岡アジア美術館レジデンスプログラム
東長寺
ウェブサイト

《Creature》2022


代表的な展示

■日本を含む国際的な展覧会
《瀬戸内国際芸術祭》(2025、日本)
《越後妻有の冬》(2024、日本)
《Teatros del Canal「The New Freak Show」》(2024、スペイン)
《100年後芸術祭-内房線アートフェス》(2024、日本)
《Vestfossen Kunstlaboratorium「Almost Grown Up」》(2023、ノルウェー)
《福岡アジア美術館 東長寺「FaN WEEK」》(2022、日本)など
■韓国での主な展覧会
《デグ市立美術館「Magnum Opus」》(2024)
《グリーンピース・ソウル「プラスチックキャンペーン」》(2023)
《グァンジュACC「Bandi Walk」》(2022)
《代案空間ループ「Echo Chamber」》(2019)
《釜山現代美術館「Nature, Life, Human」》(2019)など
⋄コレクション
《Vestfossen Kunstlaboratorium》(ノルウェー)

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