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Gallery's Picks for the Month (Newcomer artists)
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今月は、先日大阪のイベントにて、アートフロントギャラリーより初めて紹介した2名の若手アーティストについて詳しくご紹介します。これからの活躍が期待できる作家たちのエネルギー溢れる作品をぜひご覧ください。
ご紹介した作品は、東京のアートフロントギャラリーにて取り扱っております。作品のお問い合わせはcontact@artfrontgallery.com もしくは03-3476-4868(担当:庄司・坪井)までご連絡ください。
青山 夢 Yume AOYAMA
1997年 茨城県生まれ
2020年 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース 卒業
2022年 東北芸術工科大学大学院修士課程芸術文専攻絵画領域 修了
2022年
・第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)
2021年
・クマ財団クリエイター奨学生第5期生
・第34回ホルベイン・スカラシップ
2020年
・アートアワードトーキョー丸の内2020 丸の内賞/行幸地下ギャラリー(東京)
・みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2022「現代山形考-藻が湖伝説」/オンライン配信
・公益財団法人日本文化藝術財団第2020年度奨学生
・神山財団芸術支援プログラム第7期生
(作家コメント)
これまで、山形県村山地方の供養習俗であるムカサリ絵馬の取材を通し、人々が自然と共に暮らす環境の中で、人の死を思う普遍的な形式をモチーフにして作品をつくってきました。そこでは、人の死に残された者たちが不安や悲しみを経て、どう生きていくのかをその土地で暮らす人々の信仰や物語に出会い知ることができました。
現代生活において、絶対的な自然の破壊力によって、世界は混迷しています。制限され生きづらさを抱える中で、境界なく入り混じりつながる獣に強い可能性を感じ、様々な動物の皮膚を結合させ、神話学的思考を取り入れながら描いてきました。
![](/project/assets_c/2022/05/yume%20aoyama%20kuma-thumb-4032x2372-9939.jpg)
(参考作品)青山夢《Spirit of hope 地球の開》 3200×7500mm「東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展」出品 優秀賞受賞、「KUMA EXHIBITION 2022」出品
制限され生きづらさを抱える中で、境界なく入り混じりつながる獣に強い可能性を感じ、様々な動物の皮膚を結合させ、破壊と治癒の循環を死者の行方を見守る番犬の背中に描いたという本作は、裏側に2億5千年後の地図が合皮を中心に縫い合わされており、ケルベロスの表皮となっている。表側は幻獣の内面となり、青山がリサーチしてきた山形の表象たちが描かれている。
![](/project/assets_c/2022/05/FS16i8yaUAAsxup-thumb-1536x2048-9940.jpg)
![](/project/assets_c/2022/05/FS2DGafacAAQglg-thumb-2048x1536-9941.jpg)
(参考作品)青山夢《弥勒モラトリアム》「第25回岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)入選
そして、現在アートフロントギャラリーにてご覧いただける作品は、今年の春に新たに制作したシルクの布を使った小作品です。(以下写真参照)日常生活の断片を、刺繍とペインティングの組み合わせで表現した本作品群は、内部に綿が詰められ凹凸のあるカタチがとても特徴的です。空間を明るくする鮮やかな色彩と、そこに描かれる日常に存在する生命感—。青山特融の世界観をどうぞお楽しみください。
![](/project/assets_c/2022/05/5f3ce5152fabc19d17bc74a1083995e35a1a80fe-thumb-1080x2644-9956.jpg)
![](/project/assets_c/2022/05/33978ecf12eaade3d4cd2826717200f6728d1db0-thumb-1080x1964-9957.jpg)
(上から)青山夢《明るい夜》530 x 455 x 75mm /《Sunday》415 x 325 x 50mm /《Fayyn》223 x 278 x 40mm / 《Happy Tea Time!》181 x 144 x 46mm / 2022年 / 素材:シルク、アクリル絵具、糸、綿
川獺 すあ Sua KAWAUSO
![](/project/assets_c/2022/05/FLjt9iGVcAA9inW-thumb-2048x1152-9947.jpg)
(参考作品)川獺 すあ 《easter egg》「東北芸術工科大学 卒業/ 修了研究・制作展」出品 優秀賞受賞
一見すると、豊かな彩りと軽やかな線で少女の顔が描かれているかのように感じる川獺の作品。その構成は、文字や画像から抽出した何かを表すために繋がれていた情報としての線が作品上で解体され描かれている。再構築した線同士の位置や重なりから複雑なシミュラクラ現象(人は3つの点が逆三角形に配置されていると「人間の顔」に見えてしまうという錯覚や本能のこと)のように鑑賞者に顔を描き起こさせる。無数の線や丸の重なりは残像のように私たちの視覚に届き無数の顔が描かれているように感じるのだろう。
川獺の作品は、脳内のイメージを丹念に描きあげる従来の絵画制作のプロセスとは違い、全ての行為が生々しく画面に展開され、鑑賞者個々の視点によって顔のイメージが形成される。絵画でありながら形態を限定せず鑑賞者の心理によって自在に変化する表象は、制作者と鑑賞者の双方の存在によって完成されるといえるのかもしれない。
■主な展覧会
2022年
・東北芸術工科大学 卒業/ 修了研究・制作展(山形県・山形市)
・biscuit gallery 1st anniversary exhibition “grid” - biscuit gallery(東京都・渋谷区)
・The Preview Art Fair - 427 Esfactory D-Dong(韓国・ソウル市)
2021年
・個展“blurred me(you)” - THE ROOMERS’ GARDEN(宮城県・石巻市)
2020年
・個展“Polite output” - Pie(韓国・ソウル市)
・ヒョーヒョーテンポ/hyouhyou tempo/ 飄々店舗 - Alternative Space yuge(京都府・京都市)
![](/project/assets_c/2022/05/e58c7b436e8cefc4816169aa0a5ae51e53462bcd-thumb-3500x4264-9954.jpg)
川獺すあ《suddenly,really clearly》2022 / 910 × 727mm / 綿布に油彩
![](/project/assets_c/2022/05/_DSC5358-thumb-3500x4545-9949.jpg)
川獺すあ《here and there》2021 / 1303 × 970mm / 綿布に油彩、インク
![](/project/assets_c/2022/05/63325467d71be7bbfc3eb69f2fa8753645d144b0-thumb-4414x3500-9950.jpg)
川獺すあ《sunburn》2021 / 410 x 530mm / 綿布に油彩
![](/project/assets_c/2022/05/383cb52571c0a9987e4590dcdebe319efda4e838-thumb-1066x600-9952.jpg)
川獺すあ 作品(壁面)展示風景 「北斎と現代アート ART HANKYU 2022」2022年5月5日‐9日 撮影:二村友也
作品のお問い合わせはcontact@artfrontgallery.com もしくは03-3476-4868(担当:庄司・坪井)までご連絡ください。
参考:東北芸術工科大学 卒業/修了研究・制作展 ウェブサイト https://www.tuad.ac.jp/g_document/y2021/