展覧会Exhibition
山本 晶 個展 - jump
2015.4.3 (金) - 4.26 (日)
日程 | 2015.4.3 (金) - 4.26 (日) |
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営業時間 | 11:00 - 19:00 (月休) |
会場 | アートフロントギャラリー(代官山) |
レセプション | 2015年 4月3日(金)18:00-20;00 |
山本晶は限りのある平面の中に描かれたものとしてのキャンバスの世界を、それを壁にかけることで空間に切り替えていく作家だと思う。描かれたものが構成する狭いキャンバスの中の世界が結実して、単に描く事で世界を写し取る窓を作るというような画家の作業を越えて、キャンバスがもの以上の存在感を持つ。近年は風景や雑誌のイメージや窓を通して見える光や影などを切り取り、それらの重なりあいを画面上に再構成することで作品を制作している。その作品世界は、時には抽象的に、時には具体的な形が見え、交差する形や色の揺らぎが魅力となる。例えば窓を通して入ってきた光とカーテンの影、室内の風景などを絵画として組み合わせることで、見慣れたものがキャンバスの中で融合するだけではなく、作品そのものが壁に掛けられると現実世界とのコラージュのような面白い現象を引き起こす。
2007年にギャラリーを再編しようとしていた頃、私はそれまでのアートフロントギャラリーに関わりの無い新鮮な視点で面白いと思えるアーティストを探し、展覧会カタログや作家資料を見ていた。その中に2004年のセゾン現代美術館のカタログがあって、そこに掲載されていたのが山本さんだった。2008年にまだ版画ショップだったアートフロントグラフィックスで無理に個展を開催させてもらったのを記憶している。
2002年と06年のVOCA展にも山本さんは参加していたが、作品の傾向が少しセゾンの物と異なってみえる。しかし、90年代末から現在に至るまで時系列で並べてみると、筋道は一貫しており、作家が一人で研究の様に探求した絵画が見る側へ自然と作品が開けていくと言ったらよいのだろうか、実験的なさまざまなステップから作家性を強めながらも決して個の世界に没することなく、単に四角なキャンバスの中に描かれた絵画、あるいはものとしてだけではなく、作品によってその周囲の空気の印象を変えるほど、作品の外との関係が変わって行っているのがよく分かる。今回の私達のギャラリーでの展覧会に先立ち、2月半ばまで損保ジャパン日本興亜美術館で開催されていた「クインテットⅡ-五つ星の作家たち-」展に参加。アートフロントギャラリーの今回の展覧会では、新作とともに「クインテットⅡ-五つ星の作家たち-」に出展していた一部の作品が展示される。前回の展覧会から3年、多くの物が継承されながらも着実に進展している。この数年の作品の変遷を見ても明らかに目の離せないアーティストだと思う。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎
2007年にギャラリーを再編しようとしていた頃、私はそれまでのアートフロントギャラリーに関わりの無い新鮮な視点で面白いと思えるアーティストを探し、展覧会カタログや作家資料を見ていた。その中に2004年のセゾン現代美術館のカタログがあって、そこに掲載されていたのが山本さんだった。2008年にまだ版画ショップだったアートフロントグラフィックスで無理に個展を開催させてもらったのを記憶している。
2002年と06年のVOCA展にも山本さんは参加していたが、作品の傾向が少しセゾンの物と異なってみえる。しかし、90年代末から現在に至るまで時系列で並べてみると、筋道は一貫しており、作家が一人で研究の様に探求した絵画が見る側へ自然と作品が開けていくと言ったらよいのだろうか、実験的なさまざまなステップから作家性を強めながらも決して個の世界に没することなく、単に四角なキャンバスの中に描かれた絵画、あるいはものとしてだけではなく、作品によってその周囲の空気の印象を変えるほど、作品の外との関係が変わって行っているのがよく分かる。今回の私達のギャラリーでの展覧会に先立ち、2月半ばまで損保ジャパン日本興亜美術館で開催されていた「クインテットⅡ-五つ星の作家たち-」展に参加。アートフロントギャラリーの今回の展覧会では、新作とともに「クインテットⅡ-五つ星の作家たち-」に出展していた一部の作品が展示される。前回の展覧会から3年、多くの物が継承されながらも着実に進展している。この数年の作品の変遷を見ても明らかに目の離せないアーティストだと思う。
アートフロントギャラリー 近藤俊郎