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レアンドロ・エルリッヒ 作品解説:The cloud(Japan)
レアンドロ・エルリッヒ 「雲」(日本)2016 199.5x205x81cm

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レアンドロ・エルリッヒ 作品解説:The cloud(Japan)

現在森美術館で開催中のレアンドロ・エルリッヒ個展「見ることのリアル」で発表された新作についてご紹介します。
レアンドロ・エルリッヒは、建築を学んだ後にアートの世界へと活動
領域を広げ、現在もっとも注目されるアーティストのひとりです。
知覚や認知といった問題を扱いながらも科学的実験の厳密さではなく、ユーモアとウィットに富んだねじれた空間、だまし絵のような手法によるエルリッヒの作品は、
作品を体験する人同士の関係を解きほぐし、人々が共有できる場を生み出します。
金沢21世紀美術館の常設作品、スイミングプールに始まり、越後妻有里山現代美術館の「トンネル」、世界各地で実現している参加型の「ル・バチモン」など日本国内でよく知られた作品を見るだけでもその多様なアイディアに驚かされます。

薄暗い展示室内にふわっと浮かぶ日本の形をした白い雲は、2014年にアートフロントギャラリーで発表した「雲」シリーズの最新作です。

今回、森美術館では非常に大型の雲が4体展示室に並んでいます。


フランス、ドイツ、イギリスのブリテン島、日本といった国や島の形をした雲は幾重にも重なったガラス上のセラミックインクで表現されています。
人類の長い歴史を見ると人間は秩序のないものに秩序や形を与えようとする習慣を持つように思えます。たとえば、夜空に燦然と輝く星ぼしをみてその並びを結びつけ星座を作り出してきました。
同様に絶えず変わり続ける雲の形を見て、その姿を自らの想像に結びつけ何らかの形として認識しそれを別のものにたとえたりします。
人の歴史という長い時間で見れば国の形も雲と同じように姿を変えてきています。現在こうであると決められている国の形でさえも人が勝手に線引きをし作り上げているものが国家であると考えることもできる可も知れません。レアンドロは雲のもつ変化自在の姿と国の形を本作において結びつけ国境とは何かを我々に問いかけるようでもあります。

この作品は展覧会以降アートフロントギャラリーで取り扱いになります。
お問い合わせはギャラリースタッフまで

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