展覧会Exhibition
![康夏奈(吉田夏奈)-コズミックカクタス](/exhibition/upload/427ae433a357c16324a6a593712979d079121ad4.jpg)
1060X1100x240mm
クレヨン、オイルパステル、紙、パステルジェッソ、軽量紙粘土、布、木
右: COSMIC AGAVE AMERICANA (コズミック アガベ アメリカーナ)
1460x1800x150mm
クレヨン、オイルパステル、紙、パステルジェッソ、ソフトボード
康夏奈(吉田夏奈)-コズミックカクタス
2016. 4.1 (金) - 4.24 (日)
この度アートフロントギャラリーでは、 康夏奈(吉田夏奈)の個展 を開催いたします。
康夏奈の作品、プロフィールについては作家ページをご覧ください。
康夏奈の作品、プロフィールについては作家ページをご覧ください。
日程 | 2016. 4.1 (金) - 4.24 (日) |
---|---|
営業時間 | 11:00 - 19:00 (月休) |
レセプション | 2016年 4月1日(金)18:00-20:00 |
まず、見慣れない名前なのでお断りさせていただきます。これまで吉田夏奈としてアーティスト活動してきました同作家が本来の名前、康夏奈( こう かな )として新たに活動を始める最初期の展覧会として今回の展覧会は位置づけられます。しばらくは康夏奈(吉田夏奈)と併記させていただきます。
これまでの足跡を辿ってゆくと2011年にオペラシティアートギャラリー、2012年のLIXIL ギャラリー、2013年にVOCA展とその後の瀬戸内国際芸術祭2013ではその象徴的な作品として様々なメディアにも登場しました。2014年に市原アートミックスと東京都現代美術館のMOTアニュアルを経て、昨年のモエレ沼公園での展示と毎年コンスタントに活動と表現の幅を作家は広げてきています。
康(吉田)の作品の特徴はまさに自らの足で対象に切り込んでゆくフィールドワークの結果だという点でしょう。都市の日常の中で私達は一方的に入りこんでくる情報に囲まれ、受動的に自らの活動を情報や都市に制約してしまいます。たまに自然の中に入っても感動しながらも観光という切り口でそれを他者として眺めるだけという傾向があります。彼女も東京生まれ東京育ち。同じレールに乗って暮らしているひとりでしたが広島での大学生活で土地特有の自然に接することが作家活動の原点となっています。それからは実体験を求めて自然の中へ身体を投げ込んでゆくようになります。
康(吉田)の作品はカテゴリーとしては平面になるのかもしれません。しかし実際は平面を描くことを基礎にしながらも立体を作ることを重視しています。大学でデザイン工芸を学ぶ中では、幾何学的な形を作ることの方が描くことよりも先んじていたそうで、描くというより既に形のあるものからパフォーマンスや形の意味を探るプロジェクトといったものが中心課題だったようです。その一方で自然の中にはいってゆく経験から自然という自分の存在を超える何かに畏怖やショックを受けながらそれを体験した自身の認識の変化を記録したいという衝動が自身の製作活動へとつながってゆきます。それは「描く」=「自身による自然との直接的な体験」を重視することであって、都市や現代の情報社会を基盤として生きる自身の思考を可能な限り排除しながら即時的にスピードを保った中で平面作品を製作し続ける現在の製作の姿勢につながっています。一方でそのあまりにも大きな自然を平面の領域に留まることなく表現することが、この作家の領域を平面から離脱した作家特有の作品へと発展させています。つまりそこには視覚的な体験から肉体をともなった身体活動としての体験の世界への切り替えがあります。製作そのものが身体を使う表現へ発展し、作品を見る側にも視覚的な経験だけでは捉えきれない装置へと作品が発展します。2013年に発表された瀬戸内国際芸術祭の「花寿波島の秘密」ではその極みを見せています。
それまで探検家のように未知の自然に分け入り、果てのない世界を駆けてゆくような作品だったのが2014年のMOT以降作家の意識は変化を見せました。ここではこれまで歩き回った世界の内側、地層やマントルまでも描き始めています。今回のアートフロントでの展示でも作家の意識は空と地底の両方に向かい、これまで自身の体験を基にそのありようを忠実に描きながらも新たな世界を創造しようと試みているかのようです。内から外へ、私達にとっての自然の母体である地球を卵に例えながら、作家の意識は、新たな外側の領域へと拡張していきます。今年2016年の瀬戸内国際芸術祭で再度「花寿波島の秘密」の展示を試みる一方で確実に次のステップへの土台をこのアートフロントの展示では目撃できることになるでしょう。
これまでの足跡を辿ってゆくと2011年にオペラシティアートギャラリー、2012年のLIXIL ギャラリー、2013年にVOCA展とその後の瀬戸内国際芸術祭2013ではその象徴的な作品として様々なメディアにも登場しました。2014年に市原アートミックスと東京都現代美術館のMOTアニュアルを経て、昨年のモエレ沼公園での展示と毎年コンスタントに活動と表現の幅を作家は広げてきています。
康(吉田)の作品の特徴はまさに自らの足で対象に切り込んでゆくフィールドワークの結果だという点でしょう。都市の日常の中で私達は一方的に入りこんでくる情報に囲まれ、受動的に自らの活動を情報や都市に制約してしまいます。たまに自然の中に入っても感動しながらも観光という切り口でそれを他者として眺めるだけという傾向があります。彼女も東京生まれ東京育ち。同じレールに乗って暮らしているひとりでしたが広島での大学生活で土地特有の自然に接することが作家活動の原点となっています。それからは実体験を求めて自然の中へ身体を投げ込んでゆくようになります。
康(吉田)の作品はカテゴリーとしては平面になるのかもしれません。しかし実際は平面を描くことを基礎にしながらも立体を作ることを重視しています。大学でデザイン工芸を学ぶ中では、幾何学的な形を作ることの方が描くことよりも先んじていたそうで、描くというより既に形のあるものからパフォーマンスや形の意味を探るプロジェクトといったものが中心課題だったようです。その一方で自然の中にはいってゆく経験から自然という自分の存在を超える何かに畏怖やショックを受けながらそれを体験した自身の認識の変化を記録したいという衝動が自身の製作活動へとつながってゆきます。それは「描く」=「自身による自然との直接的な体験」を重視することであって、都市や現代の情報社会を基盤として生きる自身の思考を可能な限り排除しながら即時的にスピードを保った中で平面作品を製作し続ける現在の製作の姿勢につながっています。一方でそのあまりにも大きな自然を平面の領域に留まることなく表現することが、この作家の領域を平面から離脱した作家特有の作品へと発展させています。つまりそこには視覚的な体験から肉体をともなった身体活動としての体験の世界への切り替えがあります。製作そのものが身体を使う表現へ発展し、作品を見る側にも視覚的な経験だけでは捉えきれない装置へと作品が発展します。2013年に発表された瀬戸内国際芸術祭の「花寿波島の秘密」ではその極みを見せています。
それまで探検家のように未知の自然に分け入り、果てのない世界を駆けてゆくような作品だったのが2014年のMOT以降作家の意識は変化を見せました。ここではこれまで歩き回った世界の内側、地層やマントルまでも描き始めています。今回のアートフロントでの展示でも作家の意識は空と地底の両方に向かい、これまで自身の体験を基にそのありようを忠実に描きながらも新たな世界を創造しようと試みているかのようです。内から外へ、私達にとっての自然の母体である地球を卵に例えながら、作家の意識は、新たな外側の領域へと拡張していきます。今年2016年の瀬戸内国際芸術祭で再度「花寿波島の秘密」の展示を試みる一方で確実に次のステップへの土台をこのアートフロントの展示では目撃できることになるでしょう。
![](/exhibition/assets_c/2016/03/kanakou2016_untitled02-thumb-5326x2113-4255.jpg)
A part of Ocean Ball:01
紙、クレヨン、水彩絵具、パネル、2016年
600×1500×20㎜
アーティスト
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