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康夏奈:宇宙からのもう一つの視点

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康夏奈:宇宙からのもう一つの視点

2021年10月29日(金) – 11月14日(日)

この秋アートフロントギャラリーでは、目の前の自然を自ら体験しながら描き続けたアーティスト「康夏奈」の特集展示を行います。深まる秋の訪れとともに、エネルギー溢れる康の描いた大自然をお楽しみください。
日程 2021年10月29日(金) – 11月14日(日)
営業時間 水~金 12:00-19:00 / 土日および11月3日(水祝)11:00-17:00※短縮営業
休廊日 月曜、火曜
イベント 2021年11月6日(土)、7日(日)10:00-18:00 猿楽祭代官山フェスティバル関連イベント「’80s→NOW ART FAIR 80年代から現代までのコレクションより」
https://bit.ly/3bcqPfC
その他の展示情報 2021年11月13日(土)- 2022年2月23日(水・祝)「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2 」東京都現代美術館 ★瀬戸内国際芸術祭で人気を博したインスタレーション作品《花寿波島の秘密》やドローイングなどの特別出品を交え、康夏奈(吉田夏奈)作品が特集展示される予定です。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-211113/
【出品作品】

城山日出峰の目眩ソンサンイルチュルボン めまい(東京バージョン)》2012/紙にクレヨン、オイルパステル/1800x3900mm

この作品は、画面中央から上側には康の目の前に広がっていた風景、下側は康の背後にあった風景というように360度のパノラマの視点を一つの平面作品に描き込んでいます。

モチーフとなったのは、幼少期、康が5歳の頃に父と祖母に連れて行かれた韓国済州島の世界遺産の一部にも登録されている城山日出峰です。康の父方の家族は城山日出峰の位置する済州島の出身でしたが、幼い頃に連れて行かれたその場所がどこであったのかは知りませんでした。成人して韓国を訪れた際、観光ついでに偶然立ち寄った城山日出峰。その場所に立ちこの景色を目前とした時、自身の過去の記憶や家族の起源が一気に思い巡らされ、それは目眩の様であったといいます。

《海は青い 森は緑》2013/木、スチレンペーパーにクレヨン

康は山を歩き、崖を登り、海に潜る、そこで体験したことを作品とする作家です。見たものを描くというより、身体を通した体験を再度体験として引っ張り出して表現するという方が近いといえるでしょう。そして、作品が身体を使った表現をすることで、自然と見る側の身体をも巻き込んだ体感する作品へと展開しているように感じられます。

そんな康は体験した風景を作品へと凝縮し、3次元の物質性を備えた作品も制作しています。康が「個体の風景」と呼んだその試みは、東京都現代美術館に収蔵されている《No dimensional limit anymore》や《海は青い 森は緑》などの立体作品に現れているといえるでしょう。


《だるまさんが転んだ、そして地球になった》2016/高崎だるまにアクリル、クレヨン 

康は2016年にアーツ前橋で行った展覧会の際、《だるまさんが転んだ、そして地球になった》について下記の様にコメントしています。康の豊かな想像力と体感、好奇心と閃きの瞬発力を感じることができるインタビューです。鑑賞者を宇宙へと連れて行ってくれる作品《だるまさんが転んだ、そして地球になった》をぜひ体感しにご来廊ください。

「Art Meets 03 石塚まこ/康(吉田)夏奈」
アーツ前橋、2016年、リーフレットより引用

参考書籍:吉田 夏奈/康 夏奈 作品集 (2021年発行)

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