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西澤知美 作品解説:The skin you are now in

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西澤知美 作品解説:The skin you are now in

ギャラリー

8月30日まで開催中の西澤知美個展「The skin you are now in」。独自の視点でメイク道具と医療器具を融合させた作品を展開する西澤に制作テーマについて、それぞれの作品に込めた想いについてインタビューしました。

Q、展覧会タイトル“The skin you are now in“について

日本語訳すると、あなたが今生きる(いる)肌。皮膚の中に、あなた自身が(今)存在するといった意味。
化粧によって、私たちは巧妙に顔を作り更新しつづける。まるで“地の顔”がもとからこうであるかの様に。

化粧は、日々医療の発展や進化を遂げて、顔そのものを作り替えてしまう様な、また皮膚より皮膚のような第二の皮膚を作ることが可能になりつつあるのかとおもっています。

すっぴんは、もはや自分ではなくて、化粧した自分こそ自分、と言えると思うんです。そうなった時(化粧をしたとき)、自分の存在ってどこにあるんだろう、と。化粧品が肌そのものを構築し、またその中に自分という存在を形成していっているのではと考えています。

"Laboratory" 2020 / インクジェットプリント、額装 / 560x743x20mm / photographer : mitsuhisa mitsuya


Q、美容と医療の境界線とは?

美容と医療の境界線みたいなものはもはやないんじゃないかと思っています。昔からないのかもしれませんが、より美容や医療が身近な存在になっているのを感じています。

"Surface" 2020 / インクジェットプリント、額装 / 560x743x20mm /photographer : mitsuhisa mitsuya


Q、医療や美容をテーマにしようと思ったきっかけは?

中高と女子校だったのですが、その頃から、美容はとても身近なものでした。

皆メイクに興味があって、プリクラや携帯アプリやsnsも含め、どうやって自分を綺麗に見せるかについて考えており、
その中で育ち、またそれを客観的に見て、興味深いなと思う自分がいました。

医療は、薬剤師と看護師として働く両親の影響もありますし、美容整形というワードや整形級メイクなどということばが身近になりつつあった世代なのもあります。

Q、それぞれの展示作品について教えてください。

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“Powder Brush”2020 / 1680x800x800mm

パウダーブラシと医療メスをモチーフにしています。素材はステンレスです。

“Eyelash Curler”2015 / 1570x1200x1200mm

ビューラーと医療用鉗子をモチーフにしています。材質は鉄、メッキ加工しています。
実際に動くように設計していますが、今回は立たせて展示をしているため、固定しています。

“Lip Gloss”2020 / 1740x800x800mm

リップグロスと注射器をモチーフにしています。素材はステンレスです。

3つの関係性は、よく使う化粧道具。
三種の神器のような存在にしたく、今回の展示では、一つの空間に3点のみを配置し、また緊張感のある形で展示をしました。

(奥)“Chemical Reaction”2020 / インクジェットプリント、アクリルマウント / 1180x11700x25mm

これは、「人との出会いは化学反応」をテーマに制作した写真作品です。
ガラスは全て理化学用品のガラスで構成しており、人間の内臓のパーツを見立てています。写真はCGではなく、実際にガラスを組み立て設計し、インクを入れて撮影しています。

“Vascular Stent Necklace”2020 / ガラス、ネックレス、医療用ステント、真鍮、台座 / 1535x480x480mm


ガラスケースの中だけでなく、什器も作品の一部です。宝石やジュエリーがはいったガラスのショーケースに見立てています。

写真作品“Chemical Reaction”で使用した、心臓に見立てた4つ口フラスコを使用し、写真作品とはアプローチを変え、心臓(四つ口フラスコ)を、ネックレスのチャームに見立てました。

四つ口フラスコの周りにあるガラスの管は、心臓周辺にある血管の形をしています。ガラスの血管の中に入った医療用のステントがネックレスのチェーンになり、このステントによって、心臓(四つ口フラスコ)がささえられている作品です。

“Blend Under the Skin”2015 / 美容液瓶、医療針、ステンレス板、ガラス、額縁、 木 / 870x1160x100mm

2015年の作品で、化粧棚と薬品棚を融合させた作品です。
棚のフレームデザインは額ではなくてコンパクトケースのイメージで作っています。

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“Matsuge Story #01-04”2015 / インクジェットプリント、アルミマウント、額装 (photographed by yasuhiro mori)

まつげが作られる過程を、4つのストーリーとして写真作品にしています。
(※Matsuge Story は8/19より追加展示されます)



西澤知美:The skin you are now in
2020年7月31日(金) – 8月30日(日)
現在展覧会は夏期休廊中の為、展覧の再開は8月19日(水)から。
交差点沿いの部屋に展示された彫刻作品3点(“Powder Brush”“Eyelash Curler”“Lip Gloss”)は、休廊中もウィンドウ越しに、24時間鑑賞することができます。










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