架空の理想郷
原田はコンピューターの中に家や公園のある架空の理想郷を作り、その架空の空間の中に立って見える風景を描き続けている作家です。
そこには木が生え、絵を飾るギャラリーも存在。コンピューター画面の中に作られた景観は「リアル」なものではなく、大気の厚みがないため、色彩も現実世界にあるような光のあたり方によって生じる曖昧なグラデーションはありません。ひと昔前のコンピューターの中の世界の絵に描かれた架空の世界。それでもそこには陽が昇り、時間によって影が移動する――。
原田はこうしてシミュレーションで作りあげた自分の空間の中の世界を現実のキャンバスの風景画に置き換え、現実世界で絵画を制作。最近では、立体やインスタレーションも制作しており、仮想空間に描かかれたモノが現実に現れ、かつそれが再び描かれるという入れ子の関係性に作品を発展させています。
《Innerspace 20200105》2020 ビデオ 5 min. 価格:ASK
そんな原田が、神の視点で見るかのように俯瞰でとらえ制作した映像作品に《Innerspace 20200105》があります。2020年に台湾のアートフェアにて発表した本作のタイトル「20200105」というのは作品を制作した日付を表しており、作家活動の中で作品を制作すると同時に日々更新されていくCGの理想郷のひと時を記録した映像作品です。
色とりどりの風景を写生する
そしてその理想郷を散策するかのように原田が訪れ、制作された絵画は、色とりどりで子どもから大人まで気分が明るくなるような世界感を持っています。
《GARDEN - HOUSE - WHITECUBE 2016》2016 キャンバスにアクリル絵の具 1450x1450mm 価格:ASK
《HOUSE-blue》2021 キャンバスにアクリル絵の具 φ400mm 価格:ASK
展示風景
中央:《HOUSE - SCULPTURE》2014 920x1500x750mm 木にアクリル絵具
左:《GARDEN - HOUSE - WHITECUBE 2016》2016 1940x3909mm(3枚組)
右:《HOUSE-WHITE CUBE 2015 redecoration》2015 1120x1940mm
綿キャンバスにアクリル絵具 価格:ASK
原田は以前インタビューで「訪問者として世界に入るときは写生をする絵描きの視点のような感じで「いい風景に出会いにいこう」という気分」で描いていると語っています。
またモチーフの形状についても「敢えて情報過多にせず誰もが思い浮かべやすいシンプルな形にすることで3歳の子どもからおじいちゃんまでが、それぞれの記憶や思い出を投影して見入ってくれるのでは。」と想いを込めて、多くの人がイメージできる形で表現をしています。
そして、CG空間を制作するにあたっては「自分にとっての原風景」を常に意識し、制作にあたっているといいます。
作品を鑑賞することで、私たち鑑賞者も自身の原風景に出会えるかもしれません。
初のNFT作品
現在原田は、東急が手掛けるECサイト「Art Valley」にて、スタートバーン社が発行するNFTを付与した24種類のデジタル作品を販売しています。
作品は、デジタルデータだけでなく原田作品を作って飾れる ”HOUSE-WHITECUBE sculpture” のペーパークラフトが付いてくるものや、原田の仮想世界に購入者のIDが刻まれた3Dオブジェがインストールされ、原田によって半永久的にアーカイブされるものなど、様々なプレミアムな仕組みが用意されています。
ワクワクと親しみやすさを兼ね備えた原田作品に、ぜひご注目ください!
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