展覧会Exhibition
南条嘉毅:Roots of travel / 一雫の海(Daikanyama)
2019年5月10日(金) - 26日(日)
この度アートフロントギャラリーでは、南条嘉毅の個展を開催致します。
日程 | 2019年5月10日(金) - 26日(日) |
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営業時間 | 11:00 - 19:00 (月、火休) |
レセプション | 2019年5月10日(金) 18:00-20:00 |
テクニカルサポート | 鈴木泰人 |
協力 | curio laboratory |
作家在廊日 | 5月11日(土)、12日(日)、26日(日) |
風景を主題とした平面作品を軸に展開する南条嘉毅(1977年、香川県生まれ)は、描く対象の場所に赴き、その場所の特徴を現在の姿のみではなく、歴史の面からも考察し、複層的な画面として描き出す。また、その絵には訪れた現場の土をもちいることで、ポータブルな絵画に場所が持っていた力を付与する試みも行っており、その根底には絵画の場所性に対する作家なりの試行が垣間見える。この試行は、2017年にVOCA展に選出されるなど、平面作家として一定の評価を受け、現在までに数多くの展覧会に選ばれ実績を重ねている。
また、南条の表現活動は近年平面にとどまることなく新たな領域に広がっている。2016年のアートフロントでの個展以降は、土、砂を主要な材料としながら、音と光を加えノスタルジックな空間を通した劇場型のインスタレーション作品として新たな表現方法を確立。翌年の奥能登国際芸術祭にも選出されると、地元の象徴的な材料である珪藻土を用いて、忘れ去られたその土地の歴史を見つめなおすインスタレーション作品を発表、休日には列ができるほどの人気作品として注目を集めた。
その南条が、2019年の今年は満を持して瀬戸内国際芸術祭に参加を決め、生まれ故郷の坂出市で新たな作品を展開する予定になっている。香川県坂出市はかつて塩田が広がり瀬戸内の豊かな自然を背景に塩の生産で栄えた経緯がある。現在はそれらの塩田は住宅地に姿を変えかつての栄華を知るのは一部のお年寄りだけとなってしまった。南条はこの塩を坂出市の歴史をあぶりだすひとつの要素として使用する。塩も大きく見れば、一種の鉱物であり元来、土を用いてきた作家にとって何の違和感も無く創造の種として作品に取り込むことだろう。
今回のアートフロントでの展覧会は、この瀬戸内国際芸術祭に合わせて開催され、南条による故郷の再発見をベースに展開される予定だ。瀬戸内の現場で見る場所性の強いインスタレーション作品と、場所の縛りから開放され、作家の新たな創造による展開を経て生まれる作品の両方を、遠く離れた代官山の地で同時期に見ることができるまたとない機会になる。旬の作家の最新作に期待したい。
また、南条の表現活動は近年平面にとどまることなく新たな領域に広がっている。2016年のアートフロントでの個展以降は、土、砂を主要な材料としながら、音と光を加えノスタルジックな空間を通した劇場型のインスタレーション作品として新たな表現方法を確立。翌年の奥能登国際芸術祭にも選出されると、地元の象徴的な材料である珪藻土を用いて、忘れ去られたその土地の歴史を見つめなおすインスタレーション作品を発表、休日には列ができるほどの人気作品として注目を集めた。
その南条が、2019年の今年は満を持して瀬戸内国際芸術祭に参加を決め、生まれ故郷の坂出市で新たな作品を展開する予定になっている。香川県坂出市はかつて塩田が広がり瀬戸内の豊かな自然を背景に塩の生産で栄えた経緯がある。現在はそれらの塩田は住宅地に姿を変えかつての栄華を知るのは一部のお年寄りだけとなってしまった。南条はこの塩を坂出市の歴史をあぶりだすひとつの要素として使用する。塩も大きく見れば、一種の鉱物であり元来、土を用いてきた作家にとって何の違和感も無く創造の種として作品に取り込むことだろう。
今回のアートフロントでの展覧会は、この瀬戸内国際芸術祭に合わせて開催され、南条による故郷の再発見をベースに展開される予定だ。瀬戸内の現場で見る場所性の強いインスタレーション作品と、場所の縛りから開放され、作家の新たな創造による展開を経て生まれる作品の両方を、遠く離れた代官山の地で同時期に見ることができるまたとない機会になる。旬の作家の最新作に期待したい。