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奥能登国際芸術祭2017スタート! アローラ&カルサディージャ作品紹介

奥能登国際芸術祭2017スタート! アローラ&カルサディージャ作品紹介

2017/09/06

9月3日についに開幕を迎えた奥能登国際芸術祭2017。今後アートフロントギャラリーでは奥能登国際芸術祭2017出品作品を紹介してまいります。今回は完成直後のアローラ&カルサディージャのインスタレーション作品「船首方位と航路」をご紹介します。

プエトリコはカリブ海に浮かぶ小さな島でオリンピックや野球では独自の代表選手を出せる地域ではあるが宗主国はアメリカである。戦争がおこるとアメリカ兵としてアメリカのために死ななければいけない。独立を願う人々と、アメリカの考えには開きもあるであろう。アメリカに翻弄されてきた歴史を持つプエトリコで、夫婦で活動する作家の作品。

日本のどこにでもありそうな漁船の船首にとまるピカピカの金の鷲。様々な国が勇壮な鷲を国のシンボルにしているがもっとも有名なのはアメリカのシンボルとしての鷲であろう。作家は多くを語らないが、この鷲もアメリカのシンボルと解釈できるかもしれない。

船首像は船を守るシンボルとしてかつて西洋などで一般的であり、アジアでも龍をかたどった船首像が作られていた。この作品の船首像もこの日本の漁船の守護神であって、さまざまな事故や外敵から船を守ってくれるのであろう。

この作品の船首像は船の大きさに比べ余りにも巨大で、かえって船のバランスを悪くしているようにも見える。その船首像が大陸から渡ってくる風を受け、船を翻弄し続けているようにも見える。
海の向こうにはロシア、朝鮮半島、中国がある。近年高まる海を挟んだ地域の緊張の中に身を置く日本。鷲はその中で勇壮に船を守ってくれるのであろうか。プエトリコから来た作家はこの地に立って海を見ながら分の小さな島にも思いをはせたに違いない。

奥能登国際芸術祭2017の作品鑑賞パスポート、ガイドブックはアートフロントギャラリー店頭で販売中です。

■奥能登国際芸術祭2017

会場:
石川県珠洲市全域
参加アーティスト:
アデル・アブデスメッド、アローラ&カルサディージャ、岩崎貴宏、ウー・ジーツォン+チェン・シューチャン、角文平、河口龍夫、キジマ真紀、鴻池朋子、さわひらき、トビアス・レーベルガー、南条嘉毅、エコ・ヌグロホ、眞壁陸二、ラックス・メディア・コレクティブ、
など11の国と地域から39組
会期:
2017年9月3日(日)〜10月22日(日)までの50日間
主催:
奥能登国際芸術祭実行委員会

奥能登国際芸術祭2017公式サイト

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