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ムニール・ファトミ作品紹介 vol.2:Maximum Sensation

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ムニール・ファトミ作品紹介 vol.2:Maximum Sensation

大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ

現在好評開催中のムニール・ファトゥミ個展 "Monir Fatmi: Peripheral Vision" も、いよいよ12月24日の最終日が近付いてまいりました(→ムニール・ファトゥミ個展 "Monir Fatmi: Peripheral Vision" )。今回で最後となるファトミの作品紹介として、イスラム的な絨毯が西洋的なスケートボードに貼り合わされたアイコニックな作品「Maximum Sensation」 をご紹介します。

欧米でコレクションされている「Maximum Sensation」 は、スケートボードにイスラム教の祈祷用ラグを貼った眼にも鮮やかな作品です。作家によれば、アフガニスタンを旅したときに、少女がスケートボードに乗って遊んでいる情景に出会って驚いたとのこと。聞いてみると、自転車などの乗り物に女の子が載ることは禁止されているが、スケボーは大丈夫というのでイスラムの民族衣装を着て乗り回していて、ファトゥミはその女の子の勇気ある行動へのオマージュとして、この作品を制作しました。祈祷による精神の高揚と、スポーツによって身体の緊張感が最高潮に達することを掛けあわせたタイトルが「最大の感覚」になります。

この作品は、2016年の瀬戸内国際芸術祭にファトゥミが参加した際、東京の商業施設のウィンドウを飾ったという経緯もあります。ヨーロッパから見れば、日本もアフガニスタンも辺境地域であることは確かで、別の角度やほかの文化からみた「もう一つの視点」が常に我々の思考を豊かにしてきたといえるでしょう。アートの力を通じて国と国、文化と文化、宗教と日常との距離を縮めようとするファトゥミの作品は様々な場において記憶に留められることと思います。

Installation view at Shinjuku ISETAN, 2016


「ムニール・ファトゥミ- ペリフェラル・ヴィジョン」展は12月24日までアートフロントギャラリーで開催中です。皆様のご来場をお待ちしております。


ムニール・ファトゥミ個展 "Monir Fatmi: Peripheral Vision" はこちら

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