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ムニール・ファトミ作品紹介:Save Manhattan 03
大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ
現在個展開催中のムニール・ファトミは、居を構えるフランスはもとより世界中で活動し、その作品が内包する強いメッセージ性から国際的に高い評価を得ているアーティストです。今回は彼のこれまでの名作のなかでも、最もインパクトの強いSave Manhattan 03 をご紹介します。
この作品は90個のスピーカーから成っており、壁に映しだされた影とともに9.11の悲劇を想起させます。スピーカーからは飛行機の離陸時の爆音やラジオ放送のほか、都会の喧騒がノイズとして流れ、失われた世界貿易センターのシンボリックなスカイラインのもとでの日常が、表面上は取り戻されているかのようです。
ファトゥミがニューヨークの問題について深く、またある種の敬意をもって考えられるのは、もしかすると彼自身がまさにアウトサイダーであるからかもしれません。モロッコとフランスという二つの異なったアイデンティティを持ちながら、様々な文化を往き来し、旅しながら、我々にもう一つの見方、辺境からの見方を指示してくれるようです。現在ギャラリーで開催中のファトゥミの個展もこうした広い視点に支えられており、「ペリフェラル・ヴィジョン」展にぜひお越しいただければ幸いです。
ムニール・ファトゥミ個展 "Monir Fatmi: Peripheral Vision" はこちら