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田中望、春原直人:ひじおりの灯2020、山形

田中望、春原直人:ひじおりの灯2020、山形

2020/10/07

現在、田中望と春原直人が山形県の肘折温泉にて第14回灯籠絵展示会「ひじおりの灯」に参加しています。
(田中、春原については こちら)


■第14回灯籠絵展示会「ひじおりの灯」

会期:2020年9月12日(土)- 10月11日(日)

会場:肘折温泉(〒996-0200 山形県最上郡大蔵村)

新作灯籠出品者:
田中望春原直人、大久保雅基、桶本理麗、草彅裕、是恒さくら、佐野美里、渋谷七奈、中須賀愛美、古田和子、増子博子、目野真麻、吉田勝信


田中望「迎え火」2020

全体的に赤い色の灯籠で、一方には、「あらゆるものと混浴する肘折のお湯」、もう一方には、「荒ぶるカラス川(銅山川)」を描いています。水は、魂を癒す湯となり、また、時に暴れて命を奪うものにもなりますが、そうした劇的な生命の循環の力が、肘折には漲っているように感じます。

灯籠に下げている桃色の布は「からむし織(苧麻)」の布で、これは「へその緒」をイメージしています。肘折の開湯縁起では、カラス川の上流から流れて来た「唐麻」に気づいたことによって、豊後国(大分県)からはるばる来た源翁は肘折に導かれます。縁もゆかりもない土地から来た旅人が、麻布によって肘折に結ばれるというストーリーから、麻布が肘折と旅人とを結縁するへその緒のようだと思い、灯籠につけてみました。
 
ちなみにこのからむし布は、個人的なご縁で頂いたものです。新潟県十日町で、からむしの栽培から商品開発までを手がける「ネオ昭和」の代表である村山さんが、「ぜひ使ってください」とプロジェクトへの応援の気持ちとともに提供して下さいました。
(村山さんには、2015年の越後妻有アートトリエンナーレで、苧麻の取材の際に大変お世話になりました
 
また今回は、人との接触や移動が困難な状況で、地域の行事やイベントが中止になる中でも、火を灯すことの意味は何なのか考えさせられました。

取材期間中に訪れた月山で、お盆の迎え火を焚く「柴燈祭(さいとうさい)」の火を見て、火は生きている人間の必要のためにだけではなく、死者や先祖、あらゆる魂を導くために灯されてきたものなんだろうと感じて、そのような役割としての灯籠を制作したいと思い、今回の作品ができました。


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春原直人「ミズノシ」2020

肘折にはダムがある。1952年に人力によって作られた砂防ダムだ。
ダムのある銅山川は、肘折温泉のすぐ横を流れ、その川に沿って温泉宿が立ち並ぶ今の肘折を形作っている。
時に牙を剥き、まわり、めぐりながら私達と共にある、そんな水の歴史を描いた。


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