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Bunpei Kado at Ginza Maison Hermès, Tokyo
2023/06/01
8月29日(火)まで銀座のメゾンエルメスにて、角文平が手掛けたウィンドウディスプレイがご覧いただけます。ぜひご注目ください!(角についてはこちら)
■Window Display「アイランド ホッパー」
会期:2023.6.1(木)~8.29(火)
店舗:銀座メゾンエルメス(〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-1)
ウェブサイト
銀座メゾンエルメスのウィンドウディスプレイは、街にひらかれた劇場です。さまざまなクリエイターの独創的な視点を通して、エルメスの世界観を表現します。
エルメスの2023年のテーマは「驚きの発見」。
ウィンドウという空間を使い、さまざまな夢の世界に誘います。
現在、グローバル化された社会において人々の生き方は、都市を見る限り、各々の土地による独自性は失われ、ほぼ均一化されたと言えるのではないでしょうか。技術革新とともに立体的に進化する都市空間と、その中に見ることができる人間の生活上のシルエットは(個性をなくし、たとえ国が変わっても)、今や見慣れた風景となっています。
今回角は、クライミングを行う躍動的な人間の動く姿を都市部のウィンドウディスプレイに再現し、垂直化した都市を行き交う人々にとっての在り来りの日常に、変化を促します。
角はクライミングを作品に持ち込むことで、スポーツをリレーショナルな現代アートの一つの形として取り込みました。また一方では、クライミングの独特のフォームをギリシャ時代に希求された人間の肉体美のようにもとらえており、次の一手のために力をためて縮こまった姿や、ルート上の次のホールドに飛びつき伸びきった体の動きと形自体にも注目し、人間の肉体が持つ究極の美を彫刻的に表現しようともしています。既存の日常が、場所と内容の組みあわせの妙で知的好奇心を刺激するアートピースへと生まれ変わります。
クライミングホールドはまるで浮島のように造形され、クライマーを暗示するマネキンは最新のファッションを身に着けています。林立するビルの間、日常的な装いの人々がボルダリングというスポーツをするこのウィンドウディスプレイは、島々を渡り歩くというストーリーを背景に、現在の社会の在り方を変えていこうとするエネルギッシュな在り方を暗示しています。
パンデミックによる渡航制限や、政治によって分断された国交を、人が再び繋ぎなおしていきます。
昨今、二国間にデリケートな問題を抱えている地域も多いが、アート、ファッション、スポーツは、その間を自由に行き交うことのできるツールになりえると信じ、角はその可能性を今回のウィンドウの中にも表現しているのです。