プロジェクトProject
Gallery's Picks for the Month(春うらら)
ギャラリー
少しずつ暖かくなり、うららかな春が感じられる季節になりました。今回のGallery's Picks では、暖かな春の日差しのようにお部屋を明るくするアート作品をご紹介します。春の花々が色づくように、アートで暮らしに彩りを加えてみてはいかがでしょうか?(作品のお問い合わせはcontact@artfrontgallery.com もしくは03-3476-4868(担当:庄司・坪井)まで)
大巻伸嗣 Shinji Ohmaki
「トーキョーワンダーウォール2000」に『Opened Eyes Closed Eyes』で入選以来、『Echoes』シリーズ(資生堂ギャラリー、水戸芸術館、熊本現代美術館、東京都現代美術館等)、『Liminal Air』(東京ワンダーサイト、ギャラリーA4、金沢21世紀美術館 、アジアパシフィック・トリエンナーレ2009、箱根彫刻の森美術館等)、『Memorial Rebirth』(横浜トリエンナーレ 2008)など、展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックなインスタレーション作品やパブリックアートを発表。またフランスのエルメス(セーヴル店)やルイ・ヴィトンのファッションショー(パリ)でのインスタレーション発表など世界から注目される。
内海 聖史 Satoshi Uchiumi
内海の絵画作品は、筆や綿棒を用いて点描のように精緻に描かれる。その色彩のハーモニーの美しさ、平面作品の枠組みを超えた深さと広がりが特徴的な作家である。内海は、四角い画面の中の絵画というより、空間の中にどのようにどのような作品を配置するかという点に強い関心を持ち、平面の作家の中ではある意味特異な姿勢を持って製作を続けている。見る側の動きや身体性との関係性から絵画を捉え、制作された作品群は、目の当たりにするとその色彩の世界へ引き込まれる様だ。
山本晶 Aki Yamamoto
作家が見た風景をもとに、形や影などを色面で構成する平面作家。はじめの頃は抽象表現主義のような勢いのある筆致を特徴としていたが、文化庁在外研修員として渡米した2005年あたりから作風に転機が訪れ、窓や建造物の構造といった都市的・幾何学的な部分を切り取って頭の中で構成するスタイルが中心となっていったようだ。近年はこれに加えて映画のパノラマを見るように一画面に多視点を同時に創出するなどの試みも行っている。様々な色のスキームが楽しめる作家でもある。
竹中美幸 Miyuki Takenaka
竹中美幸は初期では余白をいかした柔らかな色彩で描く種子のシリーズを描いていた。その後竹中の主軸をなすようになった樹脂の作品は、雫型の樹脂を数枚のアクリル板にたらした層アクリル板にたらしたもので、光を反射しその影を落とす。水彩絵の具で描かれた繊細なにじみとともに影が映りこみ、作品外部にある光の条件を取り込んで、様々な表情をなげかけてくる。竹中の作品は一貫してその作家性を主張しながらも空間に柔らかくとけこみ、パブリックスペース、住宅を問わず幅広い場に調和し、新たな空間を創出する。2013年にはフイルムに恣意的に光を露光することで色を与え、それを複数の層として重ねることで見えないはずの光、あるいは光によって初めて見えるようになるはずの何かをフイルムという物体を通して可視化する作品も発表した。
中岡真珠美 Masumi Nakaoka
中岡は、作品を描くときに対象となる風景を写真におさめ、その景色そのものを描くのではなく、反覆するイメージから不定形な新たな輪郭を描いていく。その平面の地は、色彩やメディウムの構成に置き換えられることで物質感を失いながら、記憶の断片のようなモチーフをつくりあげていく。樹脂塗料、カシューを用いたその平面の質感も含めて、独特な平面作品を構成している。最近では山間の廃屋や皇居前の松原などをモチーフとしてとりあげ、浅い遠近感を創出すべく、視点を定めた画面の分割、構成や多視点から描くことで対象に近づくなどの手法を取り入れている。海外でのレジデンスも含め活動の幅を広げている。