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Gallery's Picks for the Month (くつろぎ空間のアート!ラグジュアリーホテル特集)
Gallery
今月は、洗練されたくつろぎの空間を彩るホテルのアート作品を紹介します。
あわせてご自宅でも楽しめる各アーティストの作品も紹介。旅の思い出をアート作品に込めて、ご自宅で楽しんで頂くこともできます。紹介作品についてはお気軽にお問い合わせください。contact@artfrontgallery.com
■内海聖史 / Satoshi Uchiumi
パレスホテル東京(東京都千代田区丸の内1丁目1−1)
■浅見貴子 / Takako Azami
アマン東京(東京都千代田区大手町1丁目5−6 大手町タワー)
■鴻崎正武 / Masatake Kozaki
セントレジスホテル大阪(大阪市中央区本町3丁目6-12)
■春原直人 / Naoto Sunohara
ザ・リッツ・カールトン日光(栃木県日光市中宮祠2482)
■藤堂 / TODO
パレスホテル東京(東京都千代田区丸の内1丁目1−1)
【内海聖史】
パレスホテル東京豊かな色あいで知られる内海聖史の作品は、丸い痕跡を残した円で埋め尽くされています。パレスホテル東京の2階、フォワイエに設置されている《色彩の下》では、青や水色を中心としたドットが幅6m にも及ぶ壁面に広がっています。一見して「流れ」を感じさせる構図となっており、ホテルの近くにある皇居お濠の水面を映すかのようです。パレスホテルは戦後まもなく国営のホテルとして開業、パレスホテルと改名した後2012年に大幅なリニューアル工事が行われたことはご存知の方もおられるでしょう。このときに、皇居=パレスの汀という稀有な立地条件を踏まえ、ホテルをとりまく自然との調和をめざした「パレス・ガーデン-継承と変奏」をコンセプトとしたアート作品約720作品が配されました(アートフロントの作家が多く展示されています)。内海の作品はその代表的なものの1つで、この作品の前で記念撮影をされるお客様も多いそうです。

《色彩の下》2012 キャンバスに油彩 h230 x w600cm パレスホテル東京 2F ホワイエ
内海の描くドットは、筆で描いた大き目の円と綿棒を使った細やかなドットの2種類があります。ここで紹介するギャラリーでの取扱い作品は小さい方のシリーズで、2020年の展覧会《内海聖史:squid》展のために作られたものです。パレスホテルの構図に流れがあるのに比べ、こちらは青のバリエーションの中に黄色が点在しており、画面全体にアクセントを与えています。

《色彩の下 2020-61》2020 キャンバスに油彩 86 x 79cm
新春を迎え、お部屋の中に光を呼びこむような絵をお探しの方にぜひお勧めしたい逸品です。空間の中にあって絵の力を発揮する作品、ぜひ一度実際にご覧ください。
【浅見貴子】
アマン東京浅見貴子の作品は、何処にあってもすぐにそれとわかる樹木の描き方が特徴的です。滲み止めのためのどうさ引きに失敗したことから生まれたという裏彩色。和紙の裏から葉を 表現する 点々を墨で描き、紙をひっくり返して作品を完成させます。
大手町にあるアマン東京 、ボードルームの《 Matsu 18 》は、大手町の森に出現した巨大な樹、というホテルのアートコンセプトにまさにぴったり調和した作品です 。大地に根を張った樹木が天空に向かって伸びていく、とのイメージで高い位置に松の葉が生い茂っています。

《Matsu 18》 2005 墨、雲肌麻紙 183 x 265cm アマン東京 ボードルーム
浅見は樹のスケッチを繰り返し、幹や枝、葉の構造を細かく観察したと、書道のように一気呵成に墨を置いていきます。そのような手法は、11月の個展《浅見貴子:未然の決断》展で発表した 下記の 作品にも使われています。

《松図、朝》 2021 墨、顔料、樹脂膠、雲肌麻紙 117 x 91cm
同じ松の木を描いていても、《Matsu18》とは違い、余白を大きくとって高いところに見え隠れする葉のようすを描いています。作家の自宅 の 門 のところに立っている松を 、見上げるようにしてスケッチしたという 構図 がユニー クです。白い点線は、作家によれば朝 、 まだ霧が残っていて、霧の粒子が流れているようすを描いたそうです。 珍しく色を入れているのは、これも裏から白禄という岩絵具を使い、淡い緑で「朝」 という 時間そのものを表しています。浅見貴子の新しいチャレンジを凝縮した作品はギャラリーでご覧いただけます。
【鴻崎正武】
セントレジスホテル大阪鴻崎正武は幻想的で怪異な風景を俯瞰するヒエロニムス・ボスの作品群や百鬼夜行絵巻、狩野永徳「洛中洛外図屏風」などから影響を受け、平面上に盛り上げた金銀箔の雲に生物や事物を埋め尽くす作風で知られています。代表作「TOUGEN」シリーズは古代中国の理想郷「桃源郷」をテーマに制作され、近作では生まれ故郷である東北を題材とした屏風作品を展開。仏像や東北みやげとして知られているこけし、達磨などが動植物と混合した不思議な生き物(キメラ)が描かれています。

《Tougen 65》2012 岩絵具、油彩、箔、アクリル絵具麻紙 162 x 324cm
鴻崎の経歴を語る際、コミッションワークの代表作として外せない名作が、セントレジス大阪の12階にある「セントレジスバー」に飾られています。洛中洛外図を新たな解釈で再構築した本作品は、金をベースに大坂の陣を思わせる合戦シーンとともに、通天閣、大阪城といった大阪のアイコニックな建物、そして中央にはセントレジス大阪自身が描かれています。本作品は、安土桃山時代の絢爛豪華な雰囲気に思いを馳せつつも、時空を超えて古今様々なモチーフが息づく大阪のダイナミズムを体現した作品といえるかもしれません。

鴻崎正武作品 2010 金箔、油彩 323 x 323cm セントレジスホテル大阪 12階セントレジスバー(セントレジスホテル大阪のその他のアートついてはこちら)
【春原直人】
ザ・リッツ・カールトン日光これまでも山を主題に、登山(フィールドワーク)により蓄積された体感(リズム)を共鳴(リミックス)させ、新たな絵画のあり方、存在の可能性を模索してきた春原。ザ・リッツ・カールトン日光のための作品を制作するにあたり、中禅寺湖から男体山、白根山を春原自身が歩き、体感することで作品のイメージへと繋げていきました。湖、滝、湿原、森、山々が織り成す変化に富んだ美しい日光の自然は、男体山とそれに連なる火山によって形造られており、山の噴火による溶岩が谷をせき止め中禅寺湖となっている場所です。春原は、その地を歩き身体を通して体験されたことと、土地に根付いた風土とが結びつくことを願って作品を制作しました。

《鳴巌(めいげん)》2020 和紙、岩絵具 180 x 360cm ザ・リッツ・カールトン日光 ラウンジ(ザ・リッツ・カールトン日光のその他のアートついてはこちら)
そして、春原の体感をそのまま感じとれる作品として、2021年に制作された《Antibodies》をここでは紹介します。本作も同様に「山」のダイナミックな力強さを感じることができる作品です。自身の伸長と同じくらいの画面を前に、春原が全身を使って描くエネルギに―に満ちたストロークや、リズムが想像できるような力強い作品です。

《Antibodies》2021 和紙、墨、岩絵具 162 x 130.4 cm
【藤堂】
パレスホテル東京パレスホテルの1Fレセプションのロビーで輝く藤堂の作品は、石とガラスでできています。特徴的なアーチ形の作品はその石がもともと持っていた形状を活かし自然でありながら、繊細な美しさを備えており、国内外の来客の目にとまります。
藤堂は日本で多摩美術大学を卒業後、単身ドイツに向かいます。デュッセルドルフのアカデミーで世界的芸術家ダニエル・ビュレンに師事し、マイスターシューラー(M.A.)を取得します。その後10年以上ドイツを中心に活動をしていましたが、2011年に東北の震災を機に日本へと帰国しました。彼の作品の特徴は、路傍の石や、木片といった生活の中で見過ごされる些細なものに宿る時間へのアプローチにあります。パレスの作品に限らず、彼が興味を示す石は経年による自然な変化を有するものがほとんどです。風雨にさらされ露出した石の表面の荒々しさと作家が丹念に磨いたガラスの持つ繊細な美しさのコントラストは必見です。多くのお客がそうして引き込まれるように、輝くガラスを覗いてみると、ガラスと石の接点にある不思議な点に気が付きます。何かというとそれは、空間です。角度を変えると光る筋とともに石の中に大きく空間が広がっているように見えるのです。この光る筋の正体は、積層されたガラスによる光の屈折と反射です。実はこのガラス部分は窓ガラスを積層させることで作られており、作家が、物体に窓を与えその物が持つ歴史と時間をのぞき込むというコンセプトに沿っています。

《無題》積層ガラス、石 各約Φ20cm 19F クラブラウンジ パレスホテル東京 エントランス
19Fのクラブラウンジエントランスにも、白大理石、伊達冠、黒御影の3種の石を使って作られた作品が展示されています。中でもここに使われている黒御影は、漆黒のような黒さとつやが持つ静謐さを湛えており、皇居を臨むパレスホテルに相応しい逸品としてお客様の目を楽しませています。(パレスホテル東京のその他のアートついてはこちら)
今回は、このパレスホテルにあるファイングレーと同じ石を使った双子のような作品を紹介します。この石はスウェーデンのスモーランド地方にあるエルムフルトの北で採掘された最高級御影石の一つでドイツ滞在時に作家が友人からもらい受けたものです。スウェーデン産の黒御影は俗に、ファイングレーと呼ばれる最高級の御影石で高度、きめの細かさ、黒の美しさが段違いです。作家もこれまでたくさん御影石の作品を作ってきましたが、このスウェーデン産の御影石は全く違うといい、藤堂はマグロに例えてこの石は大トロだといいます。美しい反面ダイヤやルビーに次いで硬い自然石といわれ制作には長い時間を要する材料でもあります。パレスホテルの物より一回り小ぶりですが、その品質は変わりません。ご興味ある方は是非アートフロントギャラリーで問い合わせてみて下さい。

《Sweden_268108》2021 スウェーデン産黒御影石・積層ガラス
作品のお問い合わせはこちらcontact@artfrontgallery.com
(12月27日~1月4日まで冬季休廊になります。ご了承くださいませ。)
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