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Gallery's Picks for the Month( Winter Gifts 特集)

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Gallery's Picks for the Month( Winter Gifts 特集)

ギャラリー

今回のGallery's Picks では、Winter Gifts 特集と題して、誰かにプレゼントしたくなったり、自分へのご褒美にしたくなるような、贈り物にもピッタリな作品をご紹介します。(作品のお問い合わせはcontact@artfrontgallery.com もしくは03-3476-4868(担当:庄司・坪井)まで)


村山 悟郎 Goro Murayama


■略歴・賞歴
1983 東京生まれ
2015   東京藝術大学美術研究科博士後期課程美術専攻油画(壁画)研究領域修了
2015-17 文化庁新進芸術家海外研修員としてウィーンにて滞在制作
2010 shiseido art egg 賞(資生堂ギャラリー)を受賞

■主な展覧会
2022 村山悟郎 × 井村一登 <重複するイメージ>
2022 瀬戸内国際芸術祭 男木島 / 香川 (’19)
2022 Drawings – Plurality 複数性へと向かうドローイング〈記号、有機体、機械〉
PARCO Museum TOKYO / 東京
2020 個展 Painting Folding Takuro Someya Contemporary Art / 東京
2019 あいちトリエンナーレ2019 情の時代 / 愛知
L’homme qui marche Verkörperung des Sperrigen, クンストハレ ビーレフェルト
  The Extended Mind, Talbot Rice Gallery at University of Edinburgh, スコットランド
21st Domani 明日展 国立新美術館 / 東京
2011  個展 成層圏vol.6 私のゆくえ 村山悟郎 ギャラリーαM / 東京
2010  第4回shiseido art egg「絵画的主体の再魔術化」資生堂ギャラリー / 東京
2009 MOTコレクション・MOTで見る夢 東京都現代美術館 /東京

村山 悟郎《生成のドローイング[Rhizome]- 黄土・朱・緑》2022 パネルに和紙、アクリリック, 29.7 x 42 x 2cm

植物の生成を思わせるこちらのドローイングは、瀬戸内国際芸術祭2022にて男木島の古民家の1階で発表した壁画のスタイルを踏襲しています。植物のツリーやリゾームといった分規則を形式的に取り込んでいて、描画パターンを派生展開しています。植物のツタが廃墟に入り込んで生い茂っていく、そしてどんどん空間を埋め尽くしていく、そんなイメージもあります。これもある種の時間を体現した作品で、ここでは作家自身の三ヶ月の滞在によって描画パターンが学習的ドリフトを起こす様が現れています。



金氏 徹平 Teppei Kaneuji


1978年京都府生まれの金氏は、近年美術館だけでなく、SUMMER SONIC 2022のような屋外展やフェアなどを通じてますます精力的に制作を行っています。モチーフは主に日常的なイメージをはらむフィギュアや雑貨など、どこにでもある素材が多いですが、現代社会で再生産され続ける情報のイメージをリズミカルに反復と増幅を繰り返しながら展開させています。個々の物体が持つ本来の意味が無視され、かつ繋げられることで、思いもしなかったダイナミックな表現がもたらされているようです。

■略歴
1978 京都府生まれ
2003 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了

■主な個展
2022 「金氏徹平 S.F.(Something Falling/Floating)」市原湖畔美術館 / 千葉
2021 「物!物!物!」Click Ten Art Space / 北京、中国
2020-21 「En/trance」ジャパン・ソサエティー / ニューヨーク、アメリカ
ほか多数

金氏徹平《Teenage Fan Club #108》2022, プラスチックフィギア、ホットグルー 13.5 × 10.5 × 8.5 cm

Teenage Fan Club シリーズは異なる物語、スケール、時間、流行、ルール、パースペクティブのコラージュによる現象のフィギュアです。髪の毛というモチーフは彫刻の歴史の中でも重要なモチーフであり、身体と物質の間にある存在と捉えることもできるでしょう。
大きなコンサートでステージには近づけず、大勢の観客の後方から鑑賞している際に、ステージの上も見えず、大量の後頭部だけが一つのリズムに合わせて蠢く状況が一匹の流動的な怪物のように見えたことも具体的な制作のきっかけになりました。(2022年作家コメント)


藤堂 Todo


1969年生まれ。多摩美術大学大学院修了後、渡独し、デュッセルドルフ藝術大学にてダニエル・ビュレンに師事し、同氏よりマイスターシューラー(M.A.)を取得。2011年より日本に帰国し制作活動を行っています。

藤堂の作品の背景には常に時間があり、その作風は「場所の固有性」をテーマに、自ら歩いて集めたものを中心に創造され、様々な形態を持っています。もっとも代表的な作品はドイツ滞在時より現在まで続けられている石のシリーズで、世界各国にある史実を刻んだ土地の石を切断し、その切断面に積層ガラスを埋め込み磨き上げ作られます。また、本のシリーズでは西洋の哲学書・小説・聖書や讃美歌などを主に古本屋で入手し、積層ガラスをはさむ方法、ページを樹脂で固める二種類の方法で制作しています。デュッセルドルフに10年以上住み、肌で感じた西欧文化と日本の美意識が融合されている藤堂の作品は、国内外で人気が高く、海外からの問い合わせも多くあります。

東日本大震災を機に制作拠点を日本に移してからは、社会の新陳代謝の中で消えていく名建築の瓦礫や故郷の宇和島で養殖された真珠を用いた作品も発表しています。近年は、ファッションブランド"KUON"のLookBook制作時に作品を提供し、NYファッションウィークに参加するなど活躍の幅を広げています。

藤堂《Snow on the roof - 松之山黒倉》2022、信濃川支流石、積層ガラス 12.5 x 11 x 8cm

2022年夏に参加した新潟県越後妻有地域の「大地の芸術祭」。古民家をまるごと一棟、作品化した《パレス黒倉》には、集落の人々と協働して新たな空間を生み出し、芸術祭の中でも特に注目されました。舞台となった黒倉集落の家の屋根の上に、雪が積もってるイメージで制作された作品で、近くの信濃川から拾ってきた石を使用しています。


大巻 伸嗣 Shinji Ohmaki


大巻伸嗣は「存在」とは何かをテーマに制作活動を続ける作家として《Echoes Infinity》、《Echoes Crystallization》、《Liminal Air》など様々なシリーズを展開しています。国内外で個展を開催するほか、横浜トリエンナーレ(2008)、瀬戸内国際芸術祭(2010)、アジアンアートビエンナーレ(台湾 2011)越後妻有トリエンナーレ(2015-)、あいちトリエンナーレ(2016)、ヨーロッパ文化都市(オランダ 2018) などそれぞれの国際芸術祭を代表する作品を発表しつづけてきました。

大巻は、「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードとして、多種多様な素材や手法を用いて、曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試みています。大巻の作品は、単に物質としての面白さや美しさを鑑賞する対象というだけでなく、空間の中に存在する光や影、時間などを観る側に気づかせる仕掛けともいえます。空気や水、光の交錯、あるいは踏まれて消えゆくイメージなど、大巻が作品に取り込む要素はそこに生まれ、やがて消滅していくものを感じさせ、かつそれらが組み合わさって見る側の身体的な感覚を呼び覚ますダイナミックな作品となっているところに醍醐味があるといえるでしょう。

大巻伸嗣《Echoes-Infinity》2013 キャンバスに顔料、アルミニウム 65 x 65 x 6cm

本作は、植物紋様を円形のフォーマットの中に描いたもので、2013年台北での個展で発表されました。Tree of Life と題された同展では、桜の木のシルエットが床から壁面いっぱいに描かれ、その上にこのようなカラフルな円形の花がいくつも配されていたといいます。描かれた花のモチーフは台湾の伝統的な織物などにヒントを得た植物紋様で、円形の中に軽やかに収められ、近寄ると顔料のエッジの美しさが目に飛び込んできます。

このEchoes-Infinity のシリーズは、「消滅と再生」、「時間と記憶」などをテーマにした大巻の代表的なシリーズで、様々な場を舞台に展開してきまし。資生堂ギャラリー(2005)、東京都現代美術館(2010)、エルメスとシンガポール美術館(2012)等での鑑賞者の身体全体を包み込むようなインスタレーションは、作品が消滅したあとも身体的記憶とともに人々の脳裏に残されていますが、そうした体験がひとつの閉じた空間にギュっと詰まっているのが本作品といえるでしょう。


石田 恵嗣 Keiji Ishida



石田恵嗣は1975年千葉県生まれ。日本の大学卒業後に会社勤めを経て、30歳を転機に絵を描き始めるました。より自分に合った美術教育を求めてイギリスに留学、ロンドンのチェルシーカレッジを2009年に卒業。2011年にRCAへ進学し2013年に同校を修了しました。その後も二年間ドイツに滞在しながらヨーロッパを中心に作家活動を続けてきた石田は近年特に注目されています。2021年にアートフロントギャラリーで個展を行った後、銀座蔦屋書店でのグループ展で新作を発表しています(2021, 2022)。その画面上には絵画としての色や形、描き方の探求が見てとれ、荒々しい筆跡やドローイングのような線も魅力を放っています。

石田恵嗣《ニワトリ》2021 キャンバスに油彩 35 x 30 x 2cm

作家によれば、「自分の絵の中に動物がでてくるのは絵本や不思議な伝承話が好きなことに因るものと思います。現実にとらわれすぎない、でも日々の生活に近いところにある世界、誰しも交差して迷い込むこともあるんじゃないか、そんなような世界に観る人が思いを巡らせて少し足を止めてくれると嬉しいです。
ペインティングの制作やノートに向かってアイディアを描き出す作業は、仕事や社会生活のなかで色々なことを自分に制限しながら生きる時間と別の時間軸だと感じます。子供の頃の考える、感じる、体を動かすといった一瞬一瞬の感情、冒険が渾然一体となった全身で生きる時間軸に似ている気がします。絵を観てくださる方が絵内の筆跡や世界に思いを巡らせ自分自身の時間に潜って遊んでくださると嬉しいのです。」(2021年個展時のコメントより)

こどもの頃の記憶に思いを馳せたり、自分とその周囲の関係性について考えたりする機会の多い季節。アートの世界にもぜひ、心の翼を広げてみてはいかがでしょうか。

その他、アートフロントギャラリーでは様々な作品を取り揃えております。(お問い合わせはcontact@artfrontgallery.com まで)

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