プロジェクトProject
川俣正 作品紹介:アメリカにおける初期プロジェクト作品
ギャラリー
残すところ日曜日までとなった川俣展。今回は新作に加えて、国内外の伝説的なプロジェクト等をモチーフとした初期作品も展示販売しております。ここではその中でも、アメリカで制作した作品にフォーカスしてご紹介します。
川俣は1984年から85年にかけてP.S.1の国際スタジオ・プログラムのレジデンスに選ばれ、そこでの出会いをきっかけとしてその後ニューヨークでプロジェクトが多く展開することになった。教会を改築してディスコになっていたライムライトのアートディレクターがある日川俣のスタジオを訪問し、既に日本で作られていた「テトラハウス」の写真を見ながら、ライムライトでも何かやってみないかと持ちかけたという。ミーティングを重ね、川俣は教会のファサードなどを覆うプランを出したが、この建物全体が市のランドマークに指定されていたためなかなか許可が下りなかった。ようやく許可が下りたものの、展示期間は1985年の1か月あまりで解体された。
このプロジェクトのマケットで残っている80年代の稀有な作品が「ライムライトプロジェクト プラン13」だ。関係者と重ねられた討議の証左でもあり、またファサードのかなり高い位置に積み上げられた木材が白いペイントで塗られた建物に吸い付くように留まっている。川俣によれば、日中の静けさと夜若者の集まるディスコとして機能する元教会のギャップが面白かったそうで、そうした80年代の熱気が伝わってくるような作品となっている。