角文平、原田郁、栗山斉
角文平、原田郁、栗山斉は、《里見プラントミュージアム》内で作品を発表しています。
●豊福亮《里見プラントミュージアム》2024(新作)
市原の原風景である里山に、市原の工場夜景をモチーフとしたミュージアムをつくり出す。1960年代から市原の湾岸部につくられた工業地域。60年以上にわたり休まず、たゆまず、動き続けてきた工場群は、今では市原の象徴的風景の一つである。体育館内には、作家の工業的なエッセンスをもった作品も展示されている。
会場:
旧里見小学校(千葉県市原市徳氏541)
・角文平《Fountain》 Photo by Osamu Nakamura
ドラム缶に積み上げられたオブジェが、絶えず中身を循環させる。石油缶やチョコレートの噴水に、作家は列強や経済大国、エネルギー争奪戦争や公害といったシンボルを重ねる。大食い願望を軽やかに見せながらも、資本主義社会で私利私欲に溺れて破滅する危険性など暗黒部分と向き合わせる本作は、物事を多角的に見せる工夫と手がかりを示す。
・原田郁 《HOUSE #001》Photo by Osamu Nakamura
作家は仮想空間におけるユートピアをモチーフに絵を描く。その世界では、あらゆるものが簡易的な形に抽象化される。作家が描く「家」は一見CGのように無機質だが、よく見れば個性や表情がある。キャンバスや建材に絵の具で描くことで、現実世界と仮想世界をつなぐ橋を架ける。
・栗山斉《真空トンネル / tunnels of the void》 Photo by Osamu Nakamura
大気圧と真空でつくられたトンネルの構造を観測する作品。内側と外側で大気圧に大きな差異が生じているガラス管を局部的に熱すると、柔らかくなったガラスが大気圧に押され(真空に引っ張られ)形態が変化する。できた凸凹状のガラス管では放電が不安定になって光がゆらぎ、大気の圧力が可視化される。
また、旧里見小学校内のショップでは、角文平と原田郁のアート作品をご購入いただくことができます。
ぜひお家でもアートをお楽しみください。
角文平《O2 (bottle)》2022 / アクリル、シリンダーバルブ、模型材料 / 650x150x150mm
角文平《canned forest》2023 / 300x250x180mm / ミクストメディア(写真はKiaf Seoul2023での展示風景)
原田郁《Old Wood -GARDEN piece #002》500x320x20mm / 木にアクリル絵具
原田郁《COLOR BLOCK 2020 #001》2020 / 100x100x60mm / レンガ、アクリル絵具
角文平
●《Homing》2024(新作)Photo by Osamu Nakamura
上総地方には、生まれた子どもの健康を願い、端午の節句に凧を贈る風習がある。「空高く舞い上がる姿に子どもの未来を重ね合わせたのだろう。けれど凧が自由で力強く見えるのは、糸の先にいつでも帰って来られる安心な場所があるためだとも思う」と角は語る。作家はこの地域の子どもたちの拠り所であっただろう古い木造校舎の中に惑星と凧のインスタレーションを創造する。思い出の地を目指して大小の袖凧が集まってくる。
会場:市原市・内田未来楽校(千葉県市原市宿174−8)
冨安由真
●《Three on the Level》2024(新作)Photo by Osamu Nakamura
会場にある3つの冨安の作品のうち、1つ目の「上昇」、2つ目の「下降」というテーマに続く本作は「水平/均衡」をキーワードに制作された。作品のモチーフとなっている「3」という数字は、ピラミッドやキリスト教の三位一体など古くから思想や信仰の中で使用されてきた。三角形は安定を意味し、また「第三者」「三人称」などは中立や客観性を意味する概念でもある。冨安の重要なテーマである「視点の重なり」を軸に、暗闇の理科室で幻想的な体験を創出する。
会場:市原市・集い広場へいさん [旧平三小学校](千葉県市原市平蔵808)
●《The TOWER (Descension To The Emerald City) / 塔(エラルド・シティに落ちる)》2021
Photo by Osamu Nakamura
Photo by Ken Kato
1階から3階にかけての配膳室と屋外スペースに展示された「下降」がテーマの作品。作家自身が幼少期に見たエメラルド色の塔の内部を落下する夢と、『オズの魔法使い』に登場する架空の都市「エメラルド・シティ」に由来する。会場が縦方向に長いことから《The TOWER》と名付けられたこの作品は、塔が崩落し人々が落下する様子の描かれたタロットカード「The TOWER」が重要なモチーフとなっている。
会場:市原市・集い広場へいさん [旧平三小学校](千葉県市原市平蔵808)
●《Jacob’s Ladder (Dream For Ascension) / ヤコブの梯子(終わらない夢)》2021
Photo by Ken Kato
2階から3階にかけての階段および3階から屋上への梯子スペースに展示された「上昇」をテーマとした作品。「ヤコブの梯子」は、旧約聖書に登場するヤコブが夢で見た天から地へと伸びる梯子のこと。また、「Ascension」とは日本語で「上昇」を意味するが、キリスト教においては「天国に魂が昇る」ことを表しており、階段を登り作品を鑑賞する行為を通じて、答えの出ない「死」について問いかけている。
会場:市原市・集い広場へいさん [旧平三小学校](千葉県市原市平蔵808)
東弘一郎
●《未来井戸》2024(新作)Photo by Osamu Nakamura
会場:袖ヶ浦市・袖ケ浦公園(千葉県袖ケ浦市飯富2360)
作家は西上総地方の小櫃川、小糸川流域で開発、発展した井戸掘り技術である「上総掘り」のダイナミズムに着目し、それを自身を代表する大型の金属作品と重ね合わせて表現した。作品は実際に掘削機能を兼ね備え、訪れる人々が自らの手で作品を体験すると同時に穴が掘り進められていくこととなる。会期が進むにつれて穴の深さは増していき、伝承技術の新たな歴史となって人々の記憶に刻まれる。
◆ワークショップ◆ 「未来井戸」掘削体験会
西上総地方の小櫃川、小糸川流域で開発・発展した井戸掘り技術「上総掘り」のダイナミズムに着目し、それを自身を代表する大型の金属作品と重ね合わせて表現した作品。作品は実際に掘削機能を兼ね備え、訪れる人々が自らの手で作品を体験すると同時に穴が掘り進められていきます。会期が進むにつれて穴の深さは増していく本作ですが、作家本人と一緒に掘削体験ができるワークショップを開催します。
【日時】
2024年4月21日(日)
2024年4月29日(月・祝)13:00-15:00
2024年5月18日(土)①11:00-12:00 ②13:00-15:00
2024年5月19日(日)①11:30-12:00 ②14:30-15:00
2024年5月25日(土)①11:00-12:00 ②13:00-15:00
【会場】作品設置場所
【費用】無料
※予約不要、時間内にお立ち寄りいただければ誰でも体験いただけます。
詳細はこちら
「百年後芸術祭- 内房総アートフェス-」
【会期】2024年3月23日(土)〜5月26日(日)
※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は通常営業)(全49日)
【開催時間】10時~17時
※作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
【会場】内房総5市(市原市・木更津市・君津市・袖ケ浦市・富津市)
【作品鑑賞パスポート】
購入はこちら 当日:(一般)¥3,500、(小・中・高):¥2,000
【総合プロデューサー】小林武史
【アートディレクター】北川フラム
オフィシャルウェブサイト