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Gallery's Picks for the Month(ホテル&商業施設のアート特集)
Gallery
今回のGallery's Picksでは、ホテルや商業施設にも作品を展示している作家を特集。大規模な作品だけでなく、プライベートスペースに取り入れやすい購入可能な作品もご紹介していますので、日常をアートで彩る参考にどうぞご覧ください。

ホテル:TIAD,オートグラフ コレクション
事業主:株式会社日本セレモニー/設計デザイン:清水建設、 A.N.D. 株式会社乃村工藝社/撮影:株式会社ナカサアンドパートナーズ
そして、ご自宅にも飾れる大巻の作品として今回ご紹介するのは、円形の作品《Echoes-Crystallization 》です。2013年に渋谷ヒカリエで発表された本作は、月の輝きのように柔らかく反射する白と、その中に修正液で描かれ水晶粉をまとった絶滅危惧種の植物のイメージが、洗練された空気感を醸し出します。

大巻伸嗣《Echoes-Crystallization 》2013/FRP, 美濃和紙、修正ペン、水晶粉、雲母/1500x1500x150㎜ [ASK]
南条嘉毅 / Yoshitaka Nanjo
南条は時間と空間の積層に宿る膨大な世界の軌跡を現代に呼び覚ます作家です。南条の制作する絵画は、市販の絵具だけを使用するのではなく、その一部をモチーフとなる現場の土を使用して描きます。南条はその場所を自ら訪れ、訪れた場所の魅力や歴史や日常などに基づき、土を採取。そうして持ち帰ったさまざまな情報を分析して絵画に落とし込み作品を制作しているのです。
今回、2024年秋に開業したヒルトン京都で南条が発表した作品も同様に、その土地をリサーチし、土を使って描いた作品群です。

施設名:ヒルトン京都
事業主:株式会社東京建物/設計デザイン:竹中工務店、橋本夕紀夫デザインスタジオ/撮影:市川 靖史
そして、ここで紹介する南条の作品は《羅生門》をテーマに描いた絵画です。
このイメージは、2016年夏に南条が京都 千本通界隈において参加したレジデンスから生まれました。南条は自身が滞在制作した場所の足元2メートル下に約1,200年前の平安京の遺構が眠っていることに思いを馳せ制作したイマジネーションの拡がる作品シリーズです。羅城門、朱雀門、大極殿といった平安京の建造物の往時の姿と現代のその場所を重ね合わせた連作を制作し、本作では、黒澤明の映画「羅生門」に登場する朽ちはてた羅城門とその跡地に存在する公園の滑り台を重ねて描きました。本作と同テーマで描いた幅3mを超える大作が高松市美術館のコレクション作品として収蔵されており、南条の代表作シリーズのひとつともいえるでしょう。

南条嘉毅《羅生門》2017/土、墨、綿布、パネル/450x900mm [ASK]
久野彩子 / Ayako Kuno
久野の作品は、銃酷な金属の質感と、細部の精巧な表現、その繊細さから生まれる動的なカタチの面白さが特徴的です。主に「都市」をテーマに、様態を変えながら増殖し、構築されていく都市のうごめく姿を想起させる久野の作品は、堅牢な金属に施された高密度の造形美を表現しています。
今回のヒルトン京都の作品でも久野は、その都市、街をモチーフに作品を作成しました。

施設名:ヒルトン京都
事業主:株式会社東京建物/設計デザイン:竹中工務店、橋本夕紀夫デザインスタジオ/撮影:市川 靖史
そして、ここで紹介する久野作品《ミチルカケル3》も、うごめくような精密な細部と、金属の重厚感が印象的です。静かな佇まいの中に、まるで何かに形態がトランスフォームするような動的な印象を感じることができるかの様です。

久野彩子《ミチルカケル3》2017/真鍮鋳造/φ205x25mm [ASK]
金氏徹平 / Teppei Kaneuji
金氏のモチーフは主に日常的なイメージをはらむフィギュアや雑貨です。現代社会で再生産され続ける情報のイメージを、リズミカルに反復と増幅を繰り返し展開させることで注目を集めています。個々の物体が持つ本来の意味が無視されて繋げられることで、思いもしなかったダイナミックな表現をもたらすことができる作家です。
金氏が今回、渋谷の商業施設に制作した作品も日常のイメージから着想を得て制作されました。新しく多様な文化を形成し続ける渋谷のまちをイメージさせるもので、サクラステージのSHIBUYA SIDE 2Fと3F、全長20mの大壁面2ヶ所使って展開されています。

施設名:渋谷サクラステージ
事業主:東急不動産株式会社/設計デザイン:NASCA 古谷 誠章/撮影:守屋 友樹
そして、ここで紹介する作品も同シリーズ「Games, Dance & the Constructions」です。長年取り組んでいる本シリーズについて作家は以下のように語っています。
「Games, Dance & the Constructions」のイメージは、描かれたモチーフの直接的な意味を重視するのではなく、形として構成していくことによってバラバラの物が一つの塊になっていく、スケールの違うものが一つの塊になるという、そういうことを目指して作った作品です。「漫画のイメージ=形のないもの」に物質感を与えて、そこから作品を作るという事を考え制作しました。だから、クッションやアクリル板など色んな素材に同じイメージを置き換えています。(2019年アートフロントギャラリー個展インタビューより抜粋)

金氏徹平《Games, Dance&The Constructions (Color plywood)#22》2022/合板にシルクスクリーンプリント/1820x1200x40㎜ [ASK]
竹中美幸 / Miyuki Takenaka
竹中の作品は一貫してその作家性を主張しながらも空間に柔らかくとけこみ、パブリックスペース、住宅を問わず幅広い場に調和し、新たな空間を創出します。近年ではフイルムに恣意的に光を露光することで色を与え、それを複数の層として重ねることで見えないはずの光、あるいは光によって初めて見えるようになるはずの何かをフイルムという物体を通して可視化する作品も多数発表しており、それを展開したインスタレーション作品も人気です。
竹中は今回、新宿の<記録、記憶>とシネマの<音、時/刻>かつての『新宿ミラノ座』や、新宿の<記録、記憶>と、シネマならではの<音、時/刻>が、混ざりあうことで生まれる新しさをテーマに制作しました。

施設名:109シネマズプレミアム新宿
事業主: 株式会社東急レクリエーション/設計デザイン:高島屋スペースクリエイツ株式会社/撮影:野口 浩史
そして、ここで紹介するのも竹中が35㎜フィルムに光を焼き付けた作品です。本作は、竹中の生まれ故郷岐阜県大垣市で開催された個展で発表されました。地元への思いを馳せて制作された1点です。

竹中美幸《titles (suitopia center 2023)》2023/35㎜フィルム、額装/450x600x50㎜ [ASK]
様々な空間に作品を設置することで、作家自身も新たな表現と出逢い、表現の幅が広がっていきます。今後も、美術館やギャラリーなどのホワイトキューブだけではない、作家たちの活動にご注目いただけたら幸いです。
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